「イソジン」のど飴販売強化 米ムンディファーマ、日本を世界3位の事業規模に
- 企業・経済
- 2018年10月23日
■総合感染対策
米製薬会社のムンディファーマは、うがい薬として知られる「イソジン」ブランドののど飴(あめ)を世界に先駆けて日本で発売している。来日したラマン・シン最高経営責任者(CEO)は、フジサンケイビジネスアイの取材に応じ、うがい薬など市販薬(OTC)分野と、のど飴など医薬部外品分野を総合感染対策のツールとしてイソジンのブランド力を強化し、日本での事業拡大を図る考えを示した。
◆トップシェア目指す
--のど飴を発売した。特徴は
「イソジンは殺菌力の高いうがい薬として知られているが、今回ののど飴は上気道の保湿を目的としたもの。亜鉛や柑橘(かんきつ)類に含まれるヘスペリジンなど、のどに良い成分を含むが、殺菌や消毒能力はない。フレッシュレモンやはちみつ金柑、ペパーミントの3つの味を用意。幅広い年齢層にイソジンブランドを広げたい」
--イソジンのブランド強化で、のど飴が果たす役割は
「当社では数年前から総合感染対策のブランディングに取り組んでいる。日本で55年以上前から販売されているうがい薬は、ポビドンヨード(PVPI)を有効成分とし、茶色いうがい薬として認知度が高い。最近ではPVPIを含まない透明なうがい薬も投入、うがいの習慣化を働きかけてきた。うがい薬の国内シェアも40%を確保している」
「一方で、風邪などから身を守るには、口内や上気道の保湿が重要と考え、のど飴の役割が大きいと判断した。販路が薬局などに限られる、うがい薬などに比べ、のど飴はコンビニエンスストアやスーパーなど販路が広い。市場規模も8億ドル(約900億円)と大きいのも魅力。ぜひトップシェアを取りたい」
◆20年に売上高1億ドル
--うがい薬や、のど飴以外の展開は
「PVPIの高い殺菌力を生かしたハンドソープ、傷薬、軟膏(なんこう)、ウエットシートなども用意している。イソジンは日本でのブランド名で、グローバルマーケットではベタダインの名称となるが、総合感染対策のメッセージは同じであり、のどや上気道の保護、傷のケアのほか女性のデリケートゾーンのケア製品を含め個人の衛生管理を広くサポートしていく」
--悪性リンパ腫など希少がん向けの治療薬も扱っている
「日本では昨年、ムンデシンなど抗がん剤2商品を市場投入した。研究開発(R&D)拠点はスイスにあり、臨床試験中の化合物も数多く保有している。希少疾病向けの医薬品は大手の薬品メーカーは参入しにくいため、当社の差別化要素ともなっており、今後も開発、製品化に力を入れていく」
--世界市場における日本の位置付けは
「当社のグローバルでの事業規模は50億ドル(約5600億円)程度で、現状は中国、米国、欧州などが大きく、日本での事業はトップ10にも入っていない。しかし、販売体制を見直した最近4年間では売上高が4倍に伸びており、2020年には売上高1億ドル(112億円)まで拡大させたい。将来的に日本を世界3位の事業規模にしたい」
一言コメント
効き目はあるのかな?
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