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埼玉少女誘拐の判決に専門家が批判「少女が逃げないのが悪いのか」


埼玉県朝霞市の少女(17)が平成28年3月に約2年ぶりに保護された誘拐事件で、未成年者誘拐と監禁致傷、窃盗の罪に問われ、懲役9年(求刑同15年)の判決を受けた寺内樺風(かぶ)被告(25)。不規則発言で延期された昨年8月の判決公判から一転、落ち着いた様子で実刑判決を受け入れた。ただ、判決は監禁手法の緩さなどを理由に減刑しており、専門家からも批判が出ている。

■不規則発言なく

昨年8月にさいたま地裁で開かれた判決公判で、寺内被告は奇声を上げながら入廷し、「私はオオタニケンジでございます」と言って被告席に。松原里美裁判長から職業を問われると「森の妖精です」などと、不規則発言を繰り返した。

休廷を挟んだが、最終的に松原裁判長は判決言い渡しの延期を決めた。

そして判決当日の3月12日。寺内被告は髪を丸刈りにし、上下黒のスーツ姿で刑務官とともに入廷。寺内被告は、名前を問われると、「寺内樺風です」と答え、ほかの問いかけにも「はい」と、しっかりとした受け答えをした。

松原裁判長が判決文を読み上げる間は背筋を伸ばして聞き入り、言い渡しが終わると深々と一礼した。最後まで、奇声を上げたり、不規則発言をしたりすることはなく、昨年8月の公判とは別人のようだった。

■「軽い罪」と認識?

これまでの公判で、寺内被告は「車や美術品を盗むより断然軽い罪と思っていた」「結局、何が悪かったんですかね」などと、被害少女やその家族の気持ちを逆なでするような発言を繰り返していた。

両親は12日、「法廷での言動をみると、全く反省する様子もなく、犯した罪と向き合うこともないようだ」と、弁護士を通じコメント。懲役9年の判決には、「反省や更正できるとは思えません。もっと厳しい判決を出してほしかったと思います。残念でなりません」とした。

地裁判決を受けて、さいたま地検の古谷伸彦次席検事は「意外な判決だ」とコメント。同地検は20日付で判決を不服として、東京高裁に控訴した。

昨年7月の論告求刑公判後、少女の両親は法定刑の上限は22年6月であることを前提に、「長期間にわたる監禁、悪質な誘拐事件に対応するべく法改正されたのに改正の趣旨が必ずしも反映されていない」と話していた。判決は、両親の思いをさらに裏切る形となった。

判決は、監禁期間を約2年間と認定した上で、「同種事案の中でも顕著に長い」と指摘。初動捜査を遅らせるために両親へ手紙を書かせたことなどから、「態様は卑劣で悪質」と厳しく非難した。しかし、監禁の物理的拘束が大半の期間で緩やかで、寺内被告から少女への暴力・暴言が認められないことなどから、「検察官の主張する求刑は重すぎると言わざるを得ない」と判断した。

■強まった刷り込み

判決では、監禁が長期化した要因の一つとして、少女が誘拐の約1カ月後、脱出した際に助けを求めた人に拒絶された結果、社会不振を抱いたことを挙げた。

マインドコントロールに詳しい立正大の西田公昭教授(社会心理学)は「逃げようとして、逃げられないという経験ができた」(西田教授)ため、寺内被告による“刷り込み”が強まったとみている。

社会経験の少ない中学生が助けを拒絶されたというアクシデントにより、「私は捨てられた」「私は帰る場所がない」といった“マインドコントロール”が成立した可能性もあると、西田教授はみている。

「少女は心に鍵をかけられているのと同じ。その恐ろしさを重く見るべきだ」

甲南大学法科大学院の渡辺修教授(刑事訴訟法)は、量刑に疑問を投げかける。

「少女は絶望して逃走に失敗したら大変なことになると思い、マインドコントロールの中で逃げられなかった。求刑が重すぎることはありえない。判決は、被害者が逃げないのが悪いという理屈になっている」

渡辺教授は「仮に裁判員裁判であれば違った判決になっていたと思う」とも指摘した。

裁判員制度の対象となる主な事件は殺人、強盗致死傷、傷害致死、危険運転致死、現住建造物等放火、身の代金目的誘拐、保護責任者遺棄致死などで、今回は対象ではなかった。

渡辺教授は「裁判官が類似事件と認定した量刑相場の中で、バランスよく量刑を決めた判決だ。被害関係者や一般市民は納得できない」と話した。

判決によると、寺内被告は、26年3月、朝霞市で当時中学1年だった少女を誘拐し、28年3月まで千葉市や東京都中野区の自宅に監禁。心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負わせたなどとしている。

 

一言コメント
気持ち悪い事この上ない。
罰が軽すぎる。


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