中高年の骨折は「西高東低」 納豆の消費量が関係か
- 政治・経済
- 2017年10月13日
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)で起こりやすくなる中高年の大腿(だいたい)骨骨折の人口あたりの割合は西日本で高く、北海道や東北地方で低いという調査結果を、骨粗鬆症財団や近畿大などの研究グループがまとめた。食生活の違いなどが関係している可能性があるという。
調査は、厚生労働省のデータベースを利用し、大腿骨骨折をした40歳以上の男女の割合を、年齢の偏りを調整した上で都道府県別に比べた。2015年に大腿骨骨折した人は男性3万2千人、女性12万人。また高齢者ほど骨折しやすく、75歳以上が男性で76%、女性で87%を占めたという。
都道府県別に比較すると、「西高東低」の傾向が浮かび上がった。全国平均を100とした骨折の発生比は、女性では兵庫や和歌山、沖縄などが120前後と西日本で高く、秋田や青森など東北以北で低かった。男性でも、最も高かった沖縄と低かった秋田では2倍超の差があった。
今回の調査では地域間の偏りの原因は、はっきりしていないという。カルシウムの骨への取り込みを助けるビタミンKの血中濃度は東日本で高く、ビタミンKを多く含む納豆の消費量が関係しているといった報告がある。研究グループは食生活の違いが関係している可能性があるとしている。
研究グループの玉置淳子・大阪医科大教授は「気になる人は骨検診の受診、カルシウムやビタミンD、ビタミンKの摂取、運動の習慣づけやリスクになるやせ過ぎへの注意などを心がけてほしい」と話している。20日から大阪市で開かれる日本骨粗鬆症学会で報告される。(川村剛志)
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