<クルド独立>賛成9割超の勢い 周辺地域反発強める
- 国際
- 2017年9月26日
イラク北部のクルド自治政府は25日、イラクからの独立の賛否を問う住民投票を実施し、選管当局は同日夜(日本時間26日未明)から開票作業に入った。公式結果は出ていないが、クルドのメディアが報じる暫定中間集計では賛成票が9割を超す勢いだ。投票率は72%前後とみられる。
一方、イラク国内で過激派組織「イスラム国」(IS)との戦闘が続く中、地域の不安定化を懸念するイラク中央政府側は投票強行に強く反発。クルド側と中央政府側の双方が管轄権を主張する係争地帯の油田都市キルクークでは25日、夜間の外出禁止令が出されるなど緊張が高まった。
米国務省は25日、声明で投票実施に「深い失望」を表明、地域情勢の不安定化に懸念を示した。またクルド側と中央政府側などに建設的対話を求め、暴力への反対を強調した。グテレス国連事務総長も声明で懸念を示し妥協の必要性を訴えた。
多民族都市キルクークでは今月に入り、クルド人とトルクメン人の衝突で死傷者が出るなど混乱が続く。キルクーク市を含むキルクーク県の知事は25日、市民に対し、祝砲を放つなどのお祭り騒ぎを控え、平静を保つよう呼びかけた。アラブ人主体のイラク中央政府の議会は25日、キルクークに限らず係争地帯に治安部隊を派遣するようアバディ首相に要請した。
また、投票に反対してきたトルコとイラク中央政府の両国軍は、自治区に近いトルコ南東部シュルナク県で26日から合同軍事演習を始めることを明らかにした。軍事力の誇示により、クルド独立を封じる意思を内外に示す狙いとみられる。
一方、自治区の中心都市アルビルでは25日、多くの市民が通りに繰り出して夜遅くまで気勢を上げ、投票を祝った。
一言コメント
独立した後が大変だろう・・・。
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