捜査情報漏えい100件以上、鹿児島県警の元巡査長に有罪判決「プライバシー侵害の程度は高い」
捜査情報を外部に漏らしたとして、地方公務員法(守秘義務)違反に問われた鹿児島県警曽於署の元巡査長(49)(懲戒免職)の判決が5日、鹿児島地裁であった。松野豊裁判官は「プライバシー侵害の程度は高い」と述べ、懲役1年、執行猶予3年(求刑・懲役1年)を言い渡した。
判決によると、元巡査長は県警公安課に勤務していた昨年6月~今年3月、ニュースサイト「ハンター」運営会社(福岡市)代表の男性(60歳代)に容疑者の氏名や事件の対応状況を記載した「告訴・告発事件処理簿一覧表」計57枚を渡すなどした。
判決は、100件以上の事件に関する処理経緯や関係者の情報を漏らしたと認定。同サイトに掲載されていた性的暴行を受けたとする告訴事案(昨年12月に不起訴)に関する捜査への疑問などを元巡査長は動機として主張していたが、同事案については「100件以上の流出情報の一つにすぎない」と指摘。そのうえで、主な動機について「情報を提供することで代表から信頼や情報を得るためだった」と結論づけた。
判決後、元巡査長は報道陣の取材に応じ、「(代表から得た情報を)組織に報告することで高評価してもらおうと考えた行為であり、公益通報に該当しない。本当に申し訳ない」と頭を下げた。
一覧表の流出は昨年10月、個人情報を黒塗りにした状態でサイトに掲載されたことで発覚。県警は4月、元巡査長を逮捕し、漏えい先として代表宅を捜索。その際、県警の内部文書が見つかり、前生活安全部長・本田尚志被告(60)=国家公務員法(守秘義務)違反で起訴=が逮捕された。
読売新聞オンラインより転用
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