データミックスは企業間取引・企業経営に必須なビジネスニュース、政治・社会ニュースを配信しています

お名前ドットコム

「首相は10万円超で妥協できると踏んでいた」自民に漂う敗北感 規正法改正法案が今国会成立へ


 裏金事件を受けた政治資金規正法改正で自民党が曲折の末、法案成立の道筋を固めた。岸田文雄首相は政治資金パーティー券購入者名の公開基準額の「5万円超」への引き下げと、政策活動費の10年後の領収書公開を決断。改革を主導したようにアピールしたが、事態打開へ公明党と日本維新の会の主張を「丸のみ」したのが実情。慎重論を振り切った首相の唐突な判断は党内に禍根を残しそうだ。

「わが党案の修正を求める国民の厳しい声についてお話があり、私としても真摯(しんし)に受け止めた」。31日夜、首相官邸。首相は公明の山口那津男代表との会談について淡々と答えた。  

約半年かかって法案成立という「出口」がようやく見えたにもかかわらず、自民内の敗北感は大きい。「総理は公明と『10万円超』で妥協できると踏んでいた」。党幹部は落胆する。  

自民の最大の誤算は公明の硬化だ。与野党修正協議が大詰めとなった5月28日以降、パーティー券公開基準額の「20万円超」から「10万円超」への引き下げなどを盛り込んだ自民案を公明が容認するとの報道が相次いだ。批判を懸念した公明が「5万円超」に翻意し、与野党協議は迷走した。  

「10万円から下げるべきではない」。29日夜。自民の麻生太郎副総裁は、茂木敏充幹事長同席の懇談の場で、首相に対して当初の防衛ラインは守るよう助言したとされる。  

党内には「収入減で政治活動が細れば、陳情対応の力も衰え集票力も陰る」(自民関係者)との懸念も根強く、首相は「ぎりぎりまで公明と交渉させる」と党幹部の動向を見守った。それでも「自民が迷惑をかけている以上反論できない」(首相側近)との諦めが広がり、首相が腹を決めた。  

公明との調整が心もとない中、自民は政策活動費などで改革を実現したい維新を頼らざるを得なかった。与党単独での法案成立は世論に「数の力で押し切った」との負の印象を与えかねない。維新とパイプを持つ自民幹部が接触を続けた。  

与党だけで法案を通す筋書きも浮上し維新と決裂しそうになる中、自民は異例のトップ会談で合意を取り付けた。窮地を突いて成果を得た維新の馬場伸幸代表は「1歩でも2歩でも改革を進めていく」と誇った。  

自民内には公明、維新両党に大幅譲歩した首相への怨嗟(えんさ)の声が渦巻く。「首相はいつも目先だけ。党の足腰はガタガタだ。ついていけない」。麻生派議員は突き放すように言った。

揺れた公明、連立に執着

 不祥事を起こした自民党に抜本的改革を迫るはずだった公明党は、法案の修正を巡る自民との協議で、対応が二転三転した。いったんは連立相手との関係を優先し、自民に甘い案を容認する方向に傾いたが、野党から批判され、支持者らから突き上げられると、態度を硬化。不透明感が増す中、今国会成立という首相の「公約」を確実にしたい自民側が折れたことに安堵(あんど)の声が漏れた。  

「われわれの考えがほぼ実現する見通しが立った。今後も連立政権を維持し、国民の信頼を取り戻したい」。公明の山口那津男代表は31日の岸田文雄首相との会談後、こう語った。山口氏は前日、政治資金パーティー券購入者の公開基準額を「10万円超」とする自民案を「そのまま賛同はできない」と批判。「ゼロ回答ではうちはまとまらない」(中堅)と強硬論も聞かれていただけに、党内には「5万円超」への引き下げなど公明の主張に沿った修正を引き出した会談を評価する声が上がった。  

公開基準などを巡る両党の交渉は難航した。「10万円超」を動かす気配がない自民に対し、公明は5月28日、「法施行3年後の見直し規定」を要求。その前後に、公明が自民案に賛成する方向だと報道されると、野党は「自民と同じ穴のむじな」と批判し、党の会合では上層部に説明を求める声が相次いだ。中堅議員は支持母体・創価学会幹部から「そのまま折れるのか」と問い詰められた。  

自民との決定的な対立を避けながら、公明の改革姿勢をアピールする-。落としどころを模索する中、自公の幹事長レベルでは折り合えず、党内からは「首相の決断で現状を打開する以外にない」との声が強まっていた。結局、選挙区調整など両党間の問題がこじれ党首同士で決着させた過去の例に今回も続いた。「最後はこうなると思っていた」。党関係者は、自民が公明の主張を“丸のみ”したことに、満足げな表情を浮かべた。

西日本新聞より転用

西日本新聞


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

※日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。

注目他社記事一覧

第3弾 波戸崎崇の思惑と、利用される幹部陣 山下遥香、西岡勇成、船津裕隆の人生はどこへ(後編)

★契約書控え無し移籍金支払い期限無しで辞めたら契約不履行で契約金を払わない悪質スキーム 前編で書いた通り、波戸崎は高学歴で歯車思考の洗脳しやすい従業員を周りに置いているが、バルセロナグループ自体に信用がない為に現地採用の […]

コメントなし

第3弾 波戸崎崇の思惑と、利用される幹部陣 山下遥香、西岡勇成、船津裕隆の人生はどこへ(前編)

前回は、バルセロナグループの金融商品取引法違反やキャストの移籍金詐欺について詳しく述べた。今回は予告していた、西岡勇成、船津裕隆、の情報とバルセロナグループ波戸崎崇と山下遥香のSNSを使ったビジネスモデル(カルト宗教的勧 […]

コメントなし

第二弾 バルセロナグループの黒い噂 可哀想な金魚(移籍したキャバ嬢20名)後編

か弱き金魚達は完全なる被害者であり、バルセロナが撤退した後は中洲の各お店で受け入れるだろう。繁華街で生き抜いた人々にはそのような寛容な思考がある。1人として働きにくいと感じさせてはいけない。元の店に戻りにくいように裏切ら […]

コメントなし

第二弾 バルセロナグループの黒い噂 可哀想な金魚(移籍したキャバ嬢20名)前編

列島は台風が去り徐々に熱気と湿度が下がりつつある。第一弾から調査している実際の内装費はいくらなのか?我々はネットワークを駆使し、オオモ◯総建社員の証言のもと、実質内装費「税抜1.5億円」と確認した。 また、波戸崎氏がソフ […]

コメントなし

第一弾(後)波戸崎崇の投資話と洗脳手法に騙される中洲の人たち

前述の会社ぐるみで一般のキャストに自分達の投資を伏せて、あたかも自分達が特別扱いされてると感じでいる投資者(キャバ嬢)が正に騙されているのだ。調べるほどバルセロナという会社は詐欺と欺瞞、嘘で固められたマルチ詐欺集団のよう […]

コメントなし

注目他社記事一覧

独自記事

【松本昌大】アフターコロナシリーズEP2~事件師たちを追う~

2024年の日本の選挙、いやー大波乱でしたね!自民党がまさかの過半数割れ。とはいえ「まあ、そうなるよね」と予感してた人も多いでしょう。世の中、どこにでもある「不信感」。これが政治だけじゃなく医療福祉業界にも広がってるんで […]

【松本昌大】アフターコロナシリーズEP1~事件師たちを追う~

昨年、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行した。今年に入り日本ではプロ野球よりメジャーリーク大谷の話題で日本が明るくなり活気が戻ってきた。活気が戻りつつ街が賑わえばやはり増え […]

コメントなし

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する(第5弾)

株式会社ブランニュープランニングの終りの始まりが来た。 民事再生という逃げ道をとった村田晃士氏 登記簿(関税人の名前消して) 3月末に動きがあった。私共データミックスの情報が嘘ではないことを証明した内容だ。(株)ブランニ […]

1件のコメント

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する(第4弾)

2024年、石川県能登半島での大地震から始まってしまい、衝撃的な令和六年のスタートに不安を感じたが、被災者の皆さんの行動力や頑張りに胸を打たれながらの2ヶ月でした。特に心苦しいのがこんな大変な状況なのに発生してしまうのが […]

2 comments

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する(第3弾)

今年も残すところあとわずかとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。 アメリカは大谷翔平選手移籍の話題で盛り上がる中、わが国では政治家の裏金問題が岸田政権を揺るがす事態となっています。 今から来年のことが心配になっている […]

コメントなし

独自記事一覧

石川の一撃

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?ゴルフ場を巡る攻防「尾崎朝樹氏・田原司氏と児玉氏との関係性は?」(第11弾)

中国で発生した新型肺炎は終息する兆しがなく、世界中で猛威を振るいつつあります。 暖かい季節になってきましたが、読者の皆様も健康管理など、くれぐれもご留意ください。 前回、ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ(以下クイーンズヒル […]

4 comments

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?ゴルフ場を巡る攻防「田原司氏と児玉氏との関係性は?」(第10弾)

温暖化と言われる時代ですが、やはり寒い季節ですね。 読者の皆さん風邪など引かないようにしてくださいね。 児玉氏の毎年の様にお友達と行われるマックスゴルフコンペ動画を見て 貴殿のスイングに目を奪われましたよ。 それに加え「 […]

1件のコメント

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?役員構成変更そして今後のI・Bは?(第9弾 後編)

豪雨、台風と今年も不安定な夏でしたが、やっと涼しくなってきました。 東京五輪もいよいよあと1年となりましたが、読者の皆様はいかがお過ごしでしょうか。 (取締役 児玉崇氏) 前回はデータ・マックス社の度重なる役員構成変更に […]

コメントなし

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?さらなる役員構成変更の意図は?(第9弾 前編)

梅雨が明け真夏日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか? 昨年にも増して暑さが厳しく感じられますね。 しばらく酷暑は続きそうですが、読者の皆様もお体に気をつけてお過ごしください。 さて、昨年も報じてきた「データ・マ […]

コメントなし

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?(第8弾 後編)

後編 「役員構成変更に見え隠れする児玉氏の未来図とは」 前編に続いてデータ・マックスグループの役員構成について考えた。 ※同役員構成については、「NetIB News」「データ・マックス」は善か悪か?信念か金か?(番外編 […]

1件のコメント

石川の一撃記事一覧

Copyright© 2017 データミックス All rights reserved.