卵子凍結費の助成、東京都が申請者全員に支給へ 当初想定の9倍超
- 政治・経済
- 2024年3月11日
将来の妊娠・出産に備える卵子凍結への費用助成を始めた東京都が、条件を満たす申請者全員に最大30万円の助成金を支給する方針を決めた。申請者数は今月上旬時点で当初見込み(300人)の9倍超の2855人に達しているが、都は、ライフプランの選択肢を広げたい女性らの希望に沿えるようにと判断したという。関連事業の予算から財源を確保する。
助成対象の卵子凍結は、加齢による減少などに備えて卵子を採取・保存しておくもの。各自、出産や育児の環境が整った時期に妊娠をめざす。都は今年度、都内の18~39歳の女性に助成を始めた。都によると、都道府県では全国初。支給額は、卵子凍結をした年が最大20万円で、その後も年2万円(最長5年)。
治療以外の目的での卵子凍結に関しては、健康被害や、リスクの高い高齢出産の増加につながる可能性があるとして日本産科婦人科学会は「基本的に推奨しない」としている。こうした背景を理解して申請するかどうかを決めてもらうため、都は、都の説明会出席などを支給条件としている。
■説明会に9100人超、35~39歳が半数
都によると、説明会への応募者は今月4日時点で9106人に上り、関心の高さを表している。年代別では、対象者の中では高齢層にあたる35~39歳が約53%を占める。ほかには、30~34歳が約38%、25~29歳が約9%などとなっている。説明会は2月末までにすでに93回開催しており、7010人が参加した。また、716人が医療行為を終え、申請手続きを済ませた。
想定を大きく超す申請数について、都福祉局の担当者は「関心が非常に高いことに尽きる」と話す。都は、24年度予算案には、関連事業費として23年度当初予算の5倍にあたる約5億円を計上している。
朝日新聞デジタルより転用
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