志賀原発変圧器、震度5弱で破損を疑問視 規制委が原因究明求める
- 政治・経済
- 2024年1月11日
能登半島地震で北陸電力志賀原発(石川県、停止中)の変圧器が破損したトラブルについて、原子力規制委員会は10日、原因の究明を北陸電に求めることを決めた。破損により外部電源の一部が使えなくなっており、安全性への影響が大きいと判断した。
今回の地震は、長さ約150キロの活断層がずれたとみられているが、詳しい実態はわかっていない。規制委は、北陸電が再稼働を目指して申請した2号機の安全審査で実態や影響を確認する方針で、審査は長期化が不可避だ。山中伸介委員長は記者会見で「地震の引き金となった断層を確定するまでに、年単位の時間がかかる」と述べた。
規制委によると、1日の地震で志賀原発では震度5弱を観測。揺れの加速度が最大の想定(基準地震動)を一部わずかに上回った。
安全上重要な設備に異常はなかったが、変圧器が破損して大量の油が漏れた。この影響で一部の外部電源が使えないままだ。
原発の新規制基準では、変圧器の耐震設計は3段階あるクラスで最も低い。しかしこの日の定例会では、震度5弱の揺れで破損したことを疑問視し「発電所内の設備はもっと強くてもいいのではないか」と指摘が相次いだ。【土谷純一】
毎日新聞より転用
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