旧ソ連構成国でもロシアの威信低下、盟友のベラルーシ大統領「誰もが我々を恐れて尊敬した」と振り返る
- 国際
- 2023年10月14日
ロシアのプーチン大統領は13日、中央アジア・キルギスの首都ビシケク郊外で、旧ソ連構成国でつくる独立国家共同体(CIS)首脳会議に出席した。加盟国間の足並みの乱れが目立つ中、旧ソ連の盟主と自任してきたロシアの威信低下を象徴する場となった。
会議には、国際刑事裁判所(ICC)に逮捕状を出されて以来、露占領地を除くと初の外遊になったプーチン氏を含め、加盟・準加盟10か国中8首脳が参加した。親欧米政権のモルドバと、アゼルバイジャン領ナゴルノ・カラバフを巡りロシアと対立し、西側に接近するアルメニアは欠席した。
プーチン氏は会議で、既に脱退しているジョージアやウクライナ、今回欠席したモルドバを非難した上で、CISは「効果的な協力の枠組みだ」と述べ、結束を呼びかけた。アルメニアに対しては、アゼルバイジャンとの和平交渉をモスクワで開くことを提案した。
ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、ソ連時代を「誰もが我々を恐れて尊敬した」と振り返り、中国やイラン、ブラジル、グローバル・サウス(新興・途上国)と結束すれば国際社会での発言力は「決定的だ」と訴えた。それだけに「(CIS)内部の分裂は許されない」とも強調した。
CIS内の連携を強化したいプーチン氏らの思惑と裏腹に、中央アジア各国は外交の多角化を急いでいる。カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの5か国首脳はそろって、5月に中国の習近平(シージンピン)国家主席、9月に米国のバイデン大統領と会談した。ショルツ独首相ら欧州とも接触を図る。米欧が鉱物資源の豊富な中央アジアと関係強化を進めるのは実利のほか、対露けん制の狙いもある。
読売新聞社より転用
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