岸田首相「自由なインターネット維持、極めて重要」…国連フォーラムできょう表明
- 政治・経済
- 2023年10月9日
インターネットを巡る広範な課題を議論する国連主催の「インターネット・ガバナンス・フォーラム(IGF)」が8日、京都市で開幕した。岸田首相は9日の記念式典で「自由で分断のないインターネットは人類の発展に不可欠」と表明する見通し。中露などの権威主義国を念頭に、ネット通信の遮断や制限といった動きをけん制する狙いがある。
読売新聞が入手した草稿によると、首相は「デジタル技術は世界の経済活動を支え、成長をもたらすエンジン」と指摘。インターネットが「自由で多様な表現の場として機能し、民主主義の基盤として極めて重要だ」と強調し、「オープンで自由、安全かつ信頼できるインターネット」を維持することの重要性を訴える方向だ。
一方で、ネットの「負の側面」として偽情報や有害な情報の拡散、サイバー攻撃などを挙げ、リスクを減らすために産官学など関係者の連携強化を呼びかける見通し。
背景には、中国やロシアなど一部の国でネットの検閲や通信の遮断を通じ、ネットを「分断」する動きが広がっていることへの危機感がある。ロシアのウクライナ侵略に伴い、SNSなどネット上で偽情報が流布され「情報戦」への懸念も高まっている。
IGFは、各国政府や企業、有識者など幅広い関係者がネットに関する課題を話し合う枠組み。今回の会合には約7000人が参加し、12日までの日程で約300の会合が開かれる予定だ。
読売新聞オンラインより転用
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