米ハワイ州マウイ島などで大規模な森林火災、少なくとも36人死亡
- 国際
- 2023年8月11日
米ハワイ州マウイ島で大規模な森林火災が発生しており、9日までに少なくとも36人が死亡、負傷者も多く出ている。当局が発表した。
山火事は太平洋で発生したハリケーンの風の影響で大きく広がっており、数千人が停電や携帯電話がつながらない状態にある。
隣のハワイ島でもいくつかの山火事が報告されている。
当局は救助活動が続いているとし、死者は今後も増える可能性があると警告した。
住民に避難指示が出ているほか、道路の封鎖や避難所の開設も進められている。
観光地であるマウイ島だが、現在は訪問をとりやめるよう勧告が出ている。
ハワイ州のシルヴィア・ルーク副知事は、8日夜に緊急事態を宣言。災害支援に向けて州兵を招集した。
被害はマウイ島のラハイナに集中している。火災により、町の一部は破壊されるか、ひどい被害を負っている。ある地元住民はメディアに対し、港にあった船は全て燃えたと語った。
米沿岸警備隊は、住民が炎から逃れるために海に飛び込んだという通報を受け、12人を救助したと発表した。
マウイ郡の当局は9日、少なくとも36人が死亡したと発表した。
少なくとも20人がけがをしており、煙を吸い込んだ消防隊員も含まれているという。
同郡行政トップのリチャード・ミッセン氏は、救助活動や避難活動が続いており、死者数はさらに増える可能性があると警告した。
ルーク州副知事は9日朝、「避難所はあふれかえっているし、人員などにも負担がかかっているが、地元住民のためにできることは全てしている」と述べた。
また、被害全体の評価には「数カ月」がかかるとの見通しを示したほか、「暴徒が出てくる懸念がある」と述べた。
州運輸当局によると、約4000人の訪問客がマウイ島を離れようとしている。
また、電信柱29本が倒れたため、数千人が携帯電話を使えない状況にある。家屋や店舗への被害の全体像はまだ分かっていないという。
アメリカ国内の停電をモニタリングにしている「PowerOutage.Us」によると、ハワイ州では現在1万2000人以上が停電に見舞われている。
ハワイ州では現在、少なくとも7件の森林火災が発生している。米国立気象局のホノルル支局は、数百キロ離れた地点で発生しているハリケーン「ドーラ」から吹く強く乾燥した風が、これらの山火事をあおっていると述べた。
現地当局によると、この風により、ヘリコプターでの消火活動が困難になっているという。
ホワイトハウスは8日、連邦緊急事態管理庁(FEMA)と海軍が消防・救助活動を支援していると発表した。
FEMAは、水や食料、簡易ベッド、毛布といった救援物資を供給していると述べた。
ハワイ州での山火事は、カリフォルニア州など北米大陸西部を襲う山火事に比べて小規模なことが多い。
しかし専門家らは、ハワイの生態系は人類が到来する以前は火事に遭わずに進化してきたため、火事の被害はより深刻化しやすいと警告している。
BBC Newsより転用
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