ユニーの“ドンキ化”は、スーパー再生のモデルのなるか
- 企業・経済
- 2017年10月21日
ユニー(愛知県稲沢市、佐古則男社長)が、総合スーパーマーケット(GMS)の“ドン・キホーテ化”を2018年2月に始める。11月に40%の出資を受け入れるドンキホーテホールディングスの手法を取り入れる新業態店舗への転換を、22年度末までに100店のペースで進める方針。GMSとドンキ流ディスカウントストア(DS)の融合で消費者に受け入れられる新しい小売りのモデルを示せるか。ユニー再生への道のりは険しい。
「GMSのあり方を見直さなければならない」。ユニーの佐古社長は危機感を繰り返し示す。ユニーが展開するGMS「ピアゴ」「アピタ」。生鮮食品に強みを持つが衣料品など、いわゆる“2階から上”が苦戦。20―30代の若い世代離れも課題となっている。低価格で豊富な品ぞろえを強みに高い集客力を持つドンキのノウハウに、GMS再生の望みをかける。
ドンキ化はピアゴを中心に進める。生鮮食品もそろえる「MEGAドン・キホーテ」に近い業態とし、まず18年2―3月に6店舗を転換。東京五輪・パラリンピックが終わり、少子高齢化も一段と進み、消費が冷え込むことが予想される22年度末にはピアゴ、アピタ全体の半分ほどが転換している見通しで、その後も進めていく。
「何でもあるが買いたいものがない」と言われるGMS。専門店やDS、インターネット通販といった業態の垣根を越えた競争が激しくなる中、GMSの立て直しが課題となっているのはイオンやセブン&アイ・ホールディングスも同じだ。時代に即した新しい小売りのビジネスモデルを創出しない限り、行き詰まるのはみえている。
佐古社長はユニーの目指す方向性について「五十貨店」という表現を使う。百貨店をもじった言葉で、商品を薄く広げるのではなく、売れるカテゴリーを見極めるといったような意味だ。その点、ドンキは「消費者のニーズを理解するのがうまい」(佐古社長)と評する。ドンキとの融合でユニーのGMSは再生するのか。その成否に業界全体が注目している。
日刊工業新聞名古屋支社・岩崎左恵
一言コメント
道のりは険しいでしょう。
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