首相、保険証の来秋廃止方針は見直さず 「国民の不安払拭が大前提」
- 政治・経済
- 2023年6月22日
マイナンバー情報総点検本部で河野太郎デジタル相(左端)に指示を出す岸田文雄首相=2023年6月21日午後1時53分、首相官邸、上田幸一撮影© 朝日新聞社
岸田文雄首相は21日夕の記者会見で、マイナンバーと健康保険証の一体化について「従来の方針のもとに進める」と述べ、来年秋に現行保険証を原則廃止する予定を見直す考えはないことを強調した。一方で、誤登録などのトラブルが相次いでいることを踏まえ、「国民の不安を払拭(ふっしょく)するための措置が完了することが大前提だ」とも述べた。
「諸外国に比べて遅れているわが国のデジタル化を推進し、本人の受診履歴に基づく質の高い医療を実現する」などとして、マイナ保険証を採り入れる必要性を強調した。首相は、この日に設置したデジタル相をトップとする「マイナンバー情報総点検本部」で、マイナンバーにひもづく全ての情報に誤りがないか、秋までに点検すると改めて説明した。
「マイナ保険証」をめぐっては、別人の情報がひもづけられるトラブルが相次いでおり、野党から現行保険証の廃止方針を撤回するよう求める声が上がっている。朝日新聞が17、18日に行った世論調査でも、マイナ保険証への「反対」は56%で、「賛成」の38%を上回っている。(小手川太朗)
朝日新聞社 より転用
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