エルドアン氏が再選目指し選挙戦開始、インフレ1桁台を公約に
- 国際
- 2023年4月13日
[アンカラ 11日 ロイター] – トルコのエルドアン大統領が11日、5月14日に行われる大統領・議会選での再選を目指す選挙戦を正式に開始した。エルドアン氏が率いる与党公正発展党(AKP)は、物価上昇率を1桁台に下げ、成長を上向かせることを選挙公約の目玉として掲げている。
エルドアン氏が再選目指し選挙戦開始、インフレ1桁台を公約に© Thomson Reuters
エルドアン氏が経済学の理論に反するような政策を打ち出した結果、通貨リラは低迷。中央銀行に対して積極的な利下げを促した影響で、物価上昇率は昨年10月に85%超と24年ぶりの高い伸びを記録し、国民の家計を圧迫した。
このため支持率が下がっているAKPは2002年の政権獲得以来で最も強い逆風に見舞われている状況だ。
こうした中でエルドアン氏は首都アンカラで開いた集会で「われわれはインフレを1桁台に戻し、この問題から国家を間違いなく救い出す」と明言した。
AKPの公約には、世界と一体化した市場経済に基づく仕組みによって投資を一層改善させて、2024─28年の年間成長率5.5%と、28年末までの国内総生産(GDP)1兆5000億ドル達成を目指すと記されている。
エルドアン氏は先週、海外投資家からの信頼が厚い元経済政策担当副首相のメフメト・シムシェキ氏を中心としたチームが経済政策の補強作業に取り組んでいるとも発言。シムシェキ氏が主導して経済政策を市場重視型に転換してほしいとの声が以前にはAKP内から出ていた。
しかし今回の公約には、経済政策を正統的な路線に回帰させるといった文言は見当たらず、引き続き低金利が投資を主導して雇用を創出するというエルドアン氏の考えがうたわれている。
大統領選は、エルドアン氏と野党統一候補のケマル・クルチダルオール氏による事実上の一騎打ちになる見通し。最新の世論調査では、第1回投票でクルチダルオール氏に投票すると答えた有権者の割合は42.6%、エルドアン氏は41.1%だった。
Reuters より転用
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