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中国主席、「大国」の存在感誇示 孤立回避へジレンマも ロシア訪問


【北京時事】全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で今月、国家主席に3選され、権力基盤を固めた習近平氏にとって、ロシア訪問は中国の「大国外交」を誇示する機会だ。

習氏には、プーチン大統領との連携を強化し米国をけん制するとともに、ウクライナ問題の調停役としての存在感を国際社会に印象付ける狙いがある。  

「中ロが手を携えることで、世界の戦略的均衡と安定が保障される。世界が不安定であればこそ中ロ関係は着実に前進すべきだ」。全人代期間中の7日の会見で、秦剛外相はロシア政策をこう説明した。米国との長期の対立を見据え、米欧主導の国際秩序の切り崩しを図る中国にとって、ロシアとの連携は不可欠だ。  

中国はウクライナ問題での「中立」を掲げており、対ロ制裁に加わらず、「侵攻」という表現も使わない。ロシアとは、北大西洋条約機構(NATO)の拡大が「危機」を招いたという認識で一致しており、侵攻後もロシアから資源の輸入を続け、同国の戦費調達を支えている。  

一方で、中国にとってはウクライナも友好国だ。習政権は微妙な立ち位置の調整を繰り返しており、ロシアと一体と見なされて国際的に孤立する事態も避けたいという本音が透ける。  

中国がロシアの体面を保つ形で停戦交渉に関与できれば、一連のジレンマは解消される。中国は今月、イランとサウジアラビアの関係修復を仲介しており、各国の利害調整を図る大国外交への自信を深めている。  

ただ、中国はこれまでロシアとウクライナの「対話」を促すだけで、実効性のある提案はできていない。徹底抗戦の立場を維持するウクライナや、ロシア軍の即時撤退を求める米欧とのずれは大きい。

共産党機関紙・人民日報系の環球時報は18日の社説で「中国はウクライナ危機の当事者ではない。解決の鍵は中国ではなく米欧にある」とけん制。20日の同紙英語版は、「ロシアが仲介役としての中国を信頼しても、ウクライナと西側がそうでなければ、中国が役割を果たすのは困難だ」と主張した。米欧側に責任転嫁することで、成果を得られなかった場合の予防線を張った形だ。 

時事通信より転用

時事通信

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