五輪談合で組織委元幹部が受注差配か、刑事責任追及へ…企業に「ここはよい」「諦めて」
- 政治・経済
- 2023年1月28日
東京五輪・パラリンピックのテスト大会事業を巡る入札談合事件で、大会組織委員会大会運営局の元幹部が入札に参加した企業から事前に受注希望を聞き、競技会場ごとに応札の可否を伝えるなど差配していた疑いのあることが関係者の話でわかった。東京地検特捜部は、元幹部が「電通」幹部らとともに談合を主導した疑いがあると判断し、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑での刑事責任の追及に向けて詰めの捜査を進めている。
東京地検などが入る庁舎© 読売新聞
関係者によると、組織委元幹部と電通幹部らは、組織委が2018年5~8月に実施したテスト大会に関する計画立案業務の入札の前に応札予定企業の受注希望を聞き、競技会場ごとに希望をまとめた一覧表を作成して共有。各社の意向を踏まえて会場ごとの落札企業について調整していたとされる。
組織委元幹部は受注希望を聞く際、一覧表を示した上で、「ここはよい」などと応札を認めたり、「ここはもう他社に決まっているから駄目だ」「諦めて」などと応札を拒否したりするなど差配していた疑いがあるという。
特捜部は、組織委元幹部や電通幹部ら入札に関わった関係者から幅広く事情聴取するなどした結果、元幹部が電通幹部らとともに談合を主導した疑いがあると判断。刑事責任の追及に向けて捜査を進めている。元幹部は、これまでの特捜部の任意の事情聴取に対し、談合の認識を否定しているという。
読売新聞社より転用
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