いじめ相談したのに…担任は校長に半年報告せず 被害生徒は転校
大阪府枚方市教育委員会は15日、市立中学校の女子生徒が2020~21年、所属する運動部の複数の生徒から仲間外れにされるなどのいじめを受けていたと発表した。女子生徒の保護者が学級担任に相談したが改善されず、半年後に運動部の顧問に相談して初めて校長が知ることになったという。市教委はいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定した。
枚方市役所=2021年5月7日、大阪府枚方市、寺沢知海撮影© 朝日新聞社
市教委によると、女子生徒は中学1年だった20年の1学期以降、同じ運動部の生徒らから部活の練習時にペアになってもらえなかったり、距離を置かれたりしていたという。
女子生徒の保護者は20年8月、「(娘が)いじめを受けている」と担任に相談したが、状況が改善されなかった。半年後の21年3月に運動部の顧問に「いじめが続いている。校長にも対応してほしい」と相談し、この時初めて担任が校長に事案を報告したという。
女子生徒が21年5月に心的外傷後ストレス障害(PTSD)の診断を受けたほか、計約1カ月間にわたり不登校に。21年6月には他校に転校したという。
市教委は21年6月に「重大事態」にあたると認定。現在は市の付属機関「市学校いじめ対策審議会」で審議中で、今年度中に調査結果を公表するという。
市教委児童生徒支援課の斎藤博課長は15日に会見し、「学校側は組織的な対応ができていなかった。再発防止に努めたい」と話した。
朝日新聞社より転用
コメントする