データミックスは企業間取引・企業経営に必須なビジネスニュース、政治・社会ニュースを配信しています

お名前ドットコム

「あえてチープ」〝聖地〟で復活「昭和レトロ」自販機


レトロ自動販売機の聖地として知られる中古タイヤ市場相模原店。昭和の時代に活躍していた自動販売機などがずらりと並び人気を集めている=29日、相模原市南区(寺河内美奈撮影)© 産経新聞 レトロ自動販売機の聖地として知られる中古タイヤ市場相模原店。昭和の時代に活躍していた自動販売機などがずらりと並び人気を集めている=29日、相模原市南区(寺河内美奈撮影)

真夜中のドライブ。煌々(こうこう)と辺りを照らす自動販売機の前に車を止め、缶コーヒーで一服する-。深夜営業のコンビニエンスストアが普及する前、幹線道路沿いの自動販売機コーナーはドライバーのオアシスだった。すこぶる美味というわけでもなかったのに、なぜだか無性に食べたくなる昭和の自販機グルメ。味わいを超えた魅力が今、若い世代の心をつかんでいる。レトロ自動販売機の聖地として知られる中古タイヤ市場相模原店の斎藤辰洋社長=29日、相模原市南区(寺河内美奈撮影)© 産経新聞 レトロ自動販売機の聖地として知られる中古タイヤ市場相模原店の斎藤辰洋社長=29日、相模原市南区(寺河内美奈撮影)

敷地内ずらり100台

バンズのパンがふやけ、表面には、しわ。お世辞にもあまりおいしそうに見えないハンバーガーが、実は売り切れ続出の人気商品だ。相模原市のタイヤ販売店「中古タイヤ市場」。店を運営する有限会社ラットサンライズ社長の斎藤辰洋さん(50)は「パティの肉も高級なものは使っていない。あえて昔ながらのチープな味わいにしている」と話す。

敷地内にずらりと並ぶ古めかしい自販機は、およそ100台。「タイヤ交換の待ち時間にお客さんに楽しんでもらえれば」と、インターネットのオークションサイトなどで10年ほど前から買い集めたものだという。いずれも半世紀近く前に製造された「骨董(こっとう)品」。それだけに買ってすぐに使えるものは少なく、斎藤さんが修復し、現役復帰させた。レトロ自動販売機の聖地として知られる中古タイヤ市場相模原店で販売されているハンバーガーとうどん=29日、相模原市南区(寺河内美奈撮影)© 産経新聞 レトロ自動販売機の聖地として知られる中古タイヤ市場相模原店で販売されているハンバーガーとうどん=29日、相模原市南区(寺河内美奈撮影)

とりわけハンバーガーとトーストサンド、うどん・そばの自販機は全国的にも貴重だ。斎藤さんのタイヤ販売店は、いつしか「レトロ自販機の聖地」と呼ばれるようになった。

ニキシー管の数字

「子供のころ近所にあってよく食べていたので、最も思い入れが強い」。斎藤さんがそう語るハンバーガーの自販機は、チーズバーガーやテリヤキバーガーもあり、いずれも280円。硬貨を投入すると「調理中」のランプがほの明るく灯(とも)り、内蔵の電子レンジで加熱される。

完成までの秒数を表示しているのは「ニキシー管」。ガラス管に放電して文字を光らせる放電管だ。「古い機械なので故障は当たり前」(斎藤さん)だが、交換する部品を取り寄せるだけでも大変だろう。

1分後。ゴトンと音を立て箱入りのバーガーが取り出し口へ。斎藤さんが食品会社に頼み込んで作ってもらったという「特注品」。ほおばると懐かしさがこみ上げてきた。シンプルを極めたハンバーガーだ。

昨年9月、この自販機のボタンが破壊された。防犯カメラには、カップルで訪れた若い男が、こぶしでボタンを強打する姿が映っていた。途方に暮れていた斎藤さんを助けたのは、名古屋市のプラスチック部品メーカー「エッチアイ技研」社長の原隆二さん(51)だった。

無償で修理を請け負うと、破壊を免れた別のボタンを斎藤さんか取り寄せてレーザーで採寸。「CAD」と呼ばれるコンピューターを使った設計ツールで図面を起こした。原さんと同社の技術者が約1カ月かけて製作。経年劣化の黄ばみまで忠実に再現した。

原さんは「まだ残っていたことに驚いた。あのハンバーガーは、おいしいというか、思い出の味だ」と振り返る。貴重な自販機はこうして2度目の復活を果たした。

沖縄から取り寄せ

かつて幹線道路沿いには「ドライブイン」と呼ばれた食堂があり、「グルメ自販機」を並べたコーナーもあった。自販機コーナーだけの「オートレストラン」という施設もあった。そこでひときわ異彩を放っていたのが、そば・うどんの自販機だ。

ボタンを押してから25秒ほど。プラスチックの容器にだし汁が注がれ、熱々のそば・うどんが出来上がる。機械のギミック(仕掛け)を想像するだけでも楽しい。麺類と具材は斎藤さんがスタッフとともに調理場で容器に1つずつ入れており、週末には1日に約500食売れることもある。

アルミ箔(はく)に包まれたトーストサンドは250度に熱しられたコテでプレスされ、パンにはほどよく焦げ目が付いている。出来立ては手に持てないほど熱い。それも昭和時代のままだ。

カレーライスの自販機にも隠れたこだわりが。レトルト食品の「ボンカレー」は袋のまま自販機で温められる商品が沖縄県限定で販売されていることから、沖縄県内の問屋からわざわざ取り寄せている。女優の松山容子さんがほほ笑む昔のパッケージもうれしい。

「昭和レトロ」の雰囲気が漂う〝聖地〟には全国から若者や家族連れが訪れる。商品の仕入れや自販機への補充作業が「本業」よりも忙しくなった斎藤さん。「若い人には、調理された食べ物が出てくる自販機が珍しいようだ」と目を細める。昭和世代にとって懐かしい自販機グルメ。あの得も言われぬ素朴な味わいが、若い世代にはむしろ新鮮なようだ。(大竹直樹)

産経新聞より転用


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

※日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。

注目他社記事一覧

第3弾 波戸崎崇の思惑と、利用される幹部陣 山下遥香、西岡勇成、船津裕隆の人生はどこへ(後編)

★契約書控え無し移籍金支払い期限無しで辞めたら契約不履行で契約金を払わない悪質スキーム 前編で書いた通り、波戸崎は高学歴で歯車思考の洗脳しやすい従業員を周りに置いているが、バルセロナグループ自体に信用がない為に現地採用の […]

コメントなし

第3弾 波戸崎崇の思惑と、利用される幹部陣 山下遥香、西岡勇成、船津裕隆の人生はどこへ(前編)

前回は、バルセロナグループの金融商品取引法違反やキャストの移籍金詐欺について詳しく述べた。今回は予告していた、西岡勇成、船津裕隆、の情報とバルセロナグループ波戸崎崇と山下遥香のSNSを使ったビジネスモデル(カルト宗教的勧 […]

コメントなし

第二弾 バルセロナグループの黒い噂 可哀想な金魚(移籍したキャバ嬢20名)後編

か弱き金魚達は完全なる被害者であり、バルセロナが撤退した後は中洲の各お店で受け入れるだろう。繁華街で生き抜いた人々にはそのような寛容な思考がある。1人として働きにくいと感じさせてはいけない。元の店に戻りにくいように裏切ら […]

コメントなし

第二弾 バルセロナグループの黒い噂 可哀想な金魚(移籍したキャバ嬢20名)前編

列島は台風が去り徐々に熱気と湿度が下がりつつある。第一弾から調査している実際の内装費はいくらなのか?我々はネットワークを駆使し、オオモ◯総建社員の証言のもと、実質内装費「税抜1.5億円」と確認した。 また、波戸崎氏がソフ […]

コメントなし

第一弾(後)波戸崎崇の投資話と洗脳手法に騙される中洲の人たち

前述の会社ぐるみで一般のキャストに自分達の投資を伏せて、あたかも自分達が特別扱いされてると感じでいる投資者(キャバ嬢)が正に騙されているのだ。調べるほどバルセロナという会社は詐欺と欺瞞、嘘で固められたマルチ詐欺集団のよう […]

コメントなし

注目他社記事一覧

独自記事

【松本昌大】アフターコロナシリーズEP2~事件師たちを追う~

2024年の日本の選挙、いやー大波乱でしたね!自民党がまさかの過半数割れ。とはいえ「まあ、そうなるよね」と予感してた人も多いでしょう。世の中、どこにでもある「不信感」。これが政治だけじゃなく医療福祉業界にも広がってるんで […]

【松本昌大】アフターコロナシリーズEP1~事件師たちを追う~

昨年、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行した。今年に入り日本ではプロ野球よりメジャーリーク大谷の話題で日本が明るくなり活気が戻ってきた。活気が戻りつつ街が賑わえばやはり増え […]

コメントなし

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する(第5弾)

株式会社ブランニュープランニングの終りの始まりが来た。 民事再生という逃げ道をとった村田晃士氏 登記簿(関税人の名前消して) 3月末に動きがあった。私共データミックスの情報が嘘ではないことを証明した内容だ。(株)ブランニ […]

1件のコメント

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する(第4弾)

2024年、石川県能登半島での大地震から始まってしまい、衝撃的な令和六年のスタートに不安を感じたが、被災者の皆さんの行動力や頑張りに胸を打たれながらの2ヶ月でした。特に心苦しいのがこんな大変な状況なのに発生してしまうのが […]

2 comments

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する(第3弾)

今年も残すところあとわずかとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。 アメリカは大谷翔平選手移籍の話題で盛り上がる中、わが国では政治家の裏金問題が岸田政権を揺るがす事態となっています。 今から来年のことが心配になっている […]

コメントなし

独自記事一覧

石川の一撃

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?ゴルフ場を巡る攻防「尾崎朝樹氏・田原司氏と児玉氏との関係性は?」(第11弾)

中国で発生した新型肺炎は終息する兆しがなく、世界中で猛威を振るいつつあります。 暖かい季節になってきましたが、読者の皆様も健康管理など、くれぐれもご留意ください。 前回、ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ(以下クイーンズヒル […]

4 comments

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?ゴルフ場を巡る攻防「田原司氏と児玉氏との関係性は?」(第10弾)

温暖化と言われる時代ですが、やはり寒い季節ですね。 読者の皆さん風邪など引かないようにしてくださいね。 児玉氏の毎年の様にお友達と行われるマックスゴルフコンペ動画を見て 貴殿のスイングに目を奪われましたよ。 それに加え「 […]

1件のコメント

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?役員構成変更そして今後のI・Bは?(第9弾 後編)

豪雨、台風と今年も不安定な夏でしたが、やっと涼しくなってきました。 東京五輪もいよいよあと1年となりましたが、読者の皆様はいかがお過ごしでしょうか。 (取締役 児玉崇氏) 前回はデータ・マックス社の度重なる役員構成変更に […]

コメントなし

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?さらなる役員構成変更の意図は?(第9弾 前編)

梅雨が明け真夏日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか? 昨年にも増して暑さが厳しく感じられますね。 しばらく酷暑は続きそうですが、読者の皆様もお体に気をつけてお過ごしください。 さて、昨年も報じてきた「データ・マ […]

コメントなし

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?(第8弾 後編)

後編 「役員構成変更に見え隠れする児玉氏の未来図とは」 前編に続いてデータ・マックスグループの役員構成について考えた。 ※同役員構成については、「NetIB News」「データ・マックス」は善か悪か?信念か金か?(番外編 […]

1件のコメント

石川の一撃記事一覧

Copyright© 2017 データミックス All rights reserved.