【レスリング世界選手権】圧倒的83秒で金メダル 汗もかかないクールビューティー須崎優衣
- スポーツ
- 2022年9月16日
© 東スポWeb 須崎優衣(東スポWeb)
【セルビア・ベオグラード14日(日本時間15日)発】レスリングの世界選手権5日目、女子50キロ級決勝で東京五輪金メダルの須崎優衣(23=キッツ)がドルゴルジャフ(モンゴル)にフォール勝ちし、3度目の世界制覇を果たした。全試合で圧倒的な力の差を見せ、もはや敵なしの須崎。2024年パリ五輪での連覇はもちろん、レスリング界初の各世代制覇となるグランドスラム達成の偉業を新たな目標に掲げた。
汗をかく間もないほどの圧勝劇だった。相手をがぶると、そのまま力技でひねって2ポイントを先制。攻め手を緩めず、じわじわ相手を倒し1分23秒、マットに沈めた。
「この舞台で試合ができたことがうれしくて、全力で楽しんで力を出し切って世界チャンピオンになると挑んだので目標は達成できた。いい感触を得られた」と試合後でも涼しい顔で笑顔を見せた。
「パリ五輪で2連覇を目指す挑戦者として臨みたい」と東京五輪の栄光を脇に置き、新たな決意でマットに立った。終わってみれば全4試合すべてでフォールまたは10点差をつけたテクニカルフォール勝ち。しかも無失点という完全試合をやってのけた。「東京五輪で戦った(強豪)選手がいなかったので、ここは圧勝して優勝したい気持ちがあった。達成できて、パリ五輪につながるいい試合になった」と、納得のいく大会となった。
今春、早大を卒業。バルブ製造会社のキッツに入社し社会人となった。「レスリングでも社会人でも一流になりたい」という目標を掲げ、新生活でも奮闘。同社関係者が「とてもしっかりしていると思う。バルブのことも勉強しているし、何事も吸収しようと前向きに取り組んでいる」と話すほど意欲的だ。須崎も「今大会もドイツ支社の方たちが応援に来てくれた。入社し、応援してくださる方も増え、頑張る理由ができた」と、学生時代とは違うモチベーションができているという。
外国人選手に負けたことがなく、今も敗戦は想像できないほどの実力差がある。そんな無双の女王は新たな目標を設定。12月から本格化するパリ五輪国内代表争いを前に、10月にスペインで行われるU―23(23歳以下)世界選手権出場を志願。理由は前人未到の大記録達成だ。
「U―23だけまだタイトルがないので、優勝して、多分世界初になると思うので、カデット(17歳以下)、ジュニア(20歳以下)、U―23、世界選手権、五輪の5タイトルすべて取りたいなと思います」
U―23は19年に新設された新たなカテゴリー。若手の目標となる大会だ。須崎は出場機会がなかったが、これを制すればレスリング界初のグランドスラム達成となる。「その第一人者に絶対なりたくてやってきたので、U―23に向けしっかり強化したい。パリ五輪へスタートが切ったと思うので、どんどん上げて、パリ五輪出場したい」。常に前だけを見る女王の快進撃はここからだ。
東スポより転用
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