「ジャニーズのコンサートに行くために」 福岡から上京した女は特殊詐欺に手を染めた “悲しき”ジャニオタ顛末記
特殊詐欺の手口で、80代の男性から、キャッシュカードを盗み、現金を引き出した疑いで、28歳の女が逮捕された。女は、ジャニーズのコンサート費用を稼ぐため、「受け子」兼「出し子」をしていたという。
「ジャニーズのコンサートに行きたい」と闇バイトに応募
午前9時半ごろ、警視庁小金井署で、捜査車両から降り来たのは、古屋亜希(こや・あき)容疑者・28歳。1回目の逮捕から、ちょうど1カ月。顔には疲れた表情を浮かべていたが、報道カメラを見ると、少し驚いた様子を見せていた。 調べによると、住居不定の古屋容疑者は、もともと、福岡県の風俗店で働いていたという。そんな中、新型コロナの影響で、仕事がなくなり、風俗店の寮も追い出されたそうだ。ところが、ジャニーズのコンサートに行きたいという思いを叶えるため、今年5月20日ごろに上京。 池袋のネットカフェなどを転々としているうちに、ネット上で「闇バイト」を見つけたそうだ。コンサートのチケットも、決して安い金額ではない。6月に入ると、古屋容疑者は、「即日即金高収入」の闇バイトに応募することに。それが特殊詐欺の”仕事”だった。
銀行員装うため スーツ・ワイシャツまで購入
古屋容疑者の役割は、特殊詐欺のメンバーとして、女性銀行員を装うこと。ネットカフェ暮らしの中、黒いスーツと白いワイシャツも購入した。6月3日、指示役に言われた通り、東京・多摩地区のベッドタウン、小金井市へ。 古屋容疑者が訪れたのは80代の男性宅だった。この家には、すでに、銀行員を騙る男から「あなたのカードを見せて下さい。今から、女性職員を向かわせます」との電話が入っていたという。 男性宅に到着すると古屋容疑者は、「各家を回って、カードを確認しています。カードを見せて下さい」と告げたそうだ。そして、男性が持ってきたキャッシュカード2枚を見ると、「ICチップがおかしい。暗証番号を教えて下さい」と迫ったという。
「受け子」兼「出し子」として逮捕
さすがに、男性が不審に思い、「名刺を下さい」と要請するも、古屋容疑者は「名刺は渡せません」と拒否。そうこうするうちに、古屋容疑者は、男性が目を離した隙に、キャッシュカードとトランプをすり替えて、男性宅を後にしたという。 男性が妻と相談して、「これは詐欺だ」と気づき、110番通報したのが、その日の午後5時12分。その5分後には、付近を警戒していた警察官が、スーツ姿の古屋容疑者を発見。小金井署に任意同行したという。古屋容疑者は、翌6月4日、「受け子」として、カードをすり替えて盗み出した”窃盗容疑”で逮捕された。スピード逮捕と言えるだろう。 実は、古屋容疑者は、任意同行された時点で、すでに、男性のキャッシュカードを使って、小金井市のコンビニで、現金4万9000円を引き出していたという。古屋容疑者は、きょう、現金を引き出した「出し子」として、”窃盗容疑”で再逮捕された。
結局、ジャニーズコンサートには行けず・・・
古屋容疑者が、闇バイトを通じて、特殊詐欺に加担するのは、今回が初めてとみられている。しかし、事件当日、小金井市周辺で、数軒、住宅を回り、受け子・出し子を”ハシゴ”していた可能性があるという。これが余罪になるだろう。 調べに対して古屋容疑者は、「全て私がやったことに間違いありません」「好きな男性アイドルグループ、ジャニーズなどのライブチケットの購入資金や遊ぶ金欲しさに、犯罪と知りながら、受け子や出し子をやりました」などと供述。結局、ジャニーズのコンサートに行く願いは叶わず、逮捕されたことになる。
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