市川海老蔵「期待に応えたい」…18日開幕「六本木歌舞伎2022 ハナゾチル」で悪の華咲かせる
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- 2022年2月14日
歌舞伎俳優の市川海老蔵(44)がこのほど、スポーツ報知の取材に応じ、東京・EXシアター六本木で18日に開幕する「六本木歌舞伎2022 ハナゾチル」(3月6日まで)への抱負を語った。A.B.C―Zの戸塚祥太(35)と初共演し、古典の名作「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)」を新たな解釈で上演。海老蔵は「知らざぁ言って聞かせやしょう」の名セリフで知られる盗賊の弁天小僧菊之助を演じ、悪の華を咲かせる。(有野 博幸)
六本木歌舞伎は、新たな歌舞伎ファンを獲得するため、海老蔵が2015年から始めた自主公演。今回で第4弾となる。
「歌舞伎に詳しくない方でも『知らざぁ言って聞かせやしょう』は何となく聞いたことがあると思います。古典の魅力を尊重して『これが見たかったんだよ!』という期待に応えたい」と意気込んでいる。
海老蔵が演じる弁天小僧菊之助は美少年の盗賊だ。美しい武家の娘に変装して呉服店「浜松屋」に強請(ゆす)りに入り、正体を見破られると開き直る。その時に発するのが「知らざぁ言って聞かせやしょう」で「俺のこと知らないの? 知らないなら教えてあげるよ、という意味。悪いことをしているのに全く悪びれない。そこが現代の感覚と違う、古典ならではの面白いところ」。武家の娘に変装し、珍しく女形を演じる海老蔵にも注目だ。
「白浪五人男」の通称で知られる「青砥稿花紅彩画」は5人の盗賊が活躍する物語。特撮戦隊シリーズの元祖とされ、「東京リベンジャーズ」「今日から俺は!」など不良を描いたドラマや映画の先駆けとも言える。タイトルの「ハナゾチル」には「桜の花は散ることを知りながら、咲くことを恐れない。男たちが咲かせる悪の華が潔く散っていく様子。それが江戸時代の若者の潔さ、はかなさ、生きざまに通じるところがある」と思いを込めた。
A.B.C―Zの戸塚は現代から時空を超えて「白浪五人男」の世界に迷い込む役どころだ。「冒頭は戸塚さんのオンステージです。かなり活躍します。立ち回りや歌舞伎口調のセリフ回しにも挑戦してもらいます」。A.B.C―Zはジャニーズの中でもアクロバットのスキルの高さで知られており、海老蔵は「戸塚さんには追っ手から逃げる場面でパルクールみたいな動きをやってほしい」と期待を寄せる。
春を先取りした華やかな舞台を作り上げる。「どこを見ても、暗いところはない。春に向けて明るく楽しく、ワクワクする舞台にしたい。コロナで不安な世の中だけど、心のサプリメントにはなるんじゃないかな。気軽にフラッと見に来てほしい」と呼び掛けた。
「六本木歌舞伎」には海老蔵、戸塚の他、中村児太郎(28)、市川右團次(58)、片岡市蔵(63)、市川男女蔵(54)、市川九團次(49)、大谷廣松(28)らも出演。福岡公演はサンパレスホテル&ホールで3月11~13日、大阪公演はフェスティバルホールで同18~21日に開催する。
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