大手自動車の業績回復、需要増や円安で 課題は原材料高の価格転嫁
- 政治・経済
- 2022年2月11日
国内自動車メーカーの業績が回復している。10日に出そろった7社の2021年4~12月期決算は、需要の増加や円安で、大幅な増益がめだつ。一方で、半導体不足やオミクロン株の感染拡大による生産の落ち込みが懸念される。利益を伸ばすには、原材料の高騰などのコスト増を価格に転嫁することがカギになる。
ホンダは22年3月期の通期について、純利益の業績予想を上方修正し、1150億円増の6700億円にした。米国などでの販売が好調で、円安も利益を押し上げた。
車の需要は世界的に堅調だが、生産は順調とは言えない。ホンダではオミクロン株の感染拡大で、米国工場の生産ラインが一時とまった。国内でも2月の生産は、半導体不足もあって、当初計画比1割減になる見通しだ。ホンダ全体の通期の減産は当初計画比約80万台になるという。半導体不足の解消のめどは立たず、一部の車種に優先的に部品を回すようにしている。倉石誠司副社長は「来期も半導体不足やオミクロン株の影響は残る」とみる。
スバルは感染拡大で部品メーカーからの調達が滞り、1月末から群馬県内の組み立て工場など3カ所の操業を6日間とめた。半導体不足も続いており、21年4~12月の減産は21万台に上る。通期の販売予想を前年実績よりも12万台減の74万台に下げた。業績は減収減益の見通しだ。
スズキも工場を動かせない日があり、通期の四輪車の国内生産台数は前年を下回る見込み。主力のインドの工場では、半導体をあまり使わない車種をたくさんつくることで、生産台数を維持しようとしている。
朝日新聞デジタルより転用
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