オミクロン対策、大阪・沖縄などで無料検査…首相「不安のある全ての方を対象に」
- 政治・経済
- 2021年12月24日
講演する岸田首相(23日午後、都内ホテルで)=代表撮影
岸田首相は23日、東京都内で講演し、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」への対策として、大阪、京都、沖縄3府県などの感染拡大が懸念される地域で、無症状でも希望者全員が無料で検査を受けられるようにすると表明した。感染者の早期発見による感染拡大防止と不安解消が狙いだ。
首相は講演で「封じ込め対策が必要な地域で、不安のある全ての方を対象に無料検査を実施する」と語った。大阪、京都両府では感染経路が不明なオミクロン株の「市中感染」が確認され、沖縄県では米軍基地で多数の感染者が出ている。
大阪府は24日から、府内100か所に無料検査場を設ける方針だ。内閣官房によると、沖縄県も準備が整い次第、開始する予定。京都府は調整中だという。
今後、オミクロン株の市中感染が確認された都道府県では、知事の判断で、PCR検査や抗原検査を無料で実施できるようにする。都道府県に登録した薬局や民間の検査機関などでの検査が対象で、1人あたり月に3回程度を目安とする。
政府は2021年度補正予算で、健康上の理由でワクチンを接種できない人や12歳未満の子どもなどの検査無料化のため、3200億円を計上。今回の対象拡大もまず、この枠内で対応する。
オミクロン株は、デルタ株に比べて感染力が格段に強く、ワクチンが効きにくいとされる。政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長は23日の記者会見で「市中感染が始まると急速に拡大するのは、ほぼ明らかだ」と警鐘を鳴らした。
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