効果に疑問…17日間「緊急事態宣言」 休業と時短混在に戸惑い
- 政治・経済
- 2021年4月26日
新型コロナウイルス感染対策で25日、3度目となる緊急事態宣言が発令された兵庫県。この日は日曜日で最多となる473人の新規感染者が確認され、市民や事業者は対策強化に一定の理解を示しながらも、休業要請施設の分かりにくさや、わずか17日間だけの短期間での効果を疑問視する声が相次ぐ。県のコールセンターには25日だけで350件以上の問い合わせがあり、混乱と戸惑いが浮かぶ発令初日になった。
昨年4月の最初の緊急事態宣言では、多くの施設でキャンセルが相次いだ結婚式場。今回は酒類やカラオケ設備を提供する場合は休業要請に規制が強化された。神戸港を望む「ノートルダム神戸」(神戸市中央区)では、県外からの参列者に配慮して延期するカップルもいるが、現時点では中止はなく、担当者は「感染対策を徹底し、安全に楽しんでもらう」と話す。
休業要請に戸惑いつつも工夫を模索する業種も。利益率が高い酒類を提供できなくなった居酒屋チェーンのワールド・ワン(同)は神戸市内の20店舗中、時短営業と持ち帰りの5店だけを営業する。大型複合リゾート施設「ネスタリゾート神戸」(三木市)は、アトラクション施設が営業できないが、従業員の社内研修に充てるなど「プラスに捉えたい」(担当者)と前を向く。
食料品売り場などを除いて休業している神戸ハーバーランドの商業施設「umie(ウミエ)」は、人通りもまばら。2歳の孫を連れた神戸市西区の女性(71)は「孫には毎週のように会っていたけど、今日を最後に控えたい」。同市東灘区の会社員男性(35)は妻(33)や娘(2)と、大丸神戸店(神戸市中央区)近くでショッピング。同店をよく利用するといい、「同じブランドの衣料店でも百貨店の内外で休業か時短かが分かれた。百貨店は一気に買い物ができ便利なのに、休業要請を店舗の大きさで区別する意味があるのか」と疑問を投げかけた。(藤井伸哉、大橋凜太郎、赤松沙和)
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