電力販売で4社カルテルか 独禁法違反容疑で公取委立ち入り
- 政治・経済
- 2021年4月13日
電力の販売でカルテルを結んでいた疑いが強まったとして、公正取引委員会は13日、電力大手の中部電力(名古屋市)、関西電力(大阪市)、中国電力(広島市)など4社に、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で立ち入り検査に入った。関係者への取材で明らかになった。
他に立ち入りを受けたのは、中部電力の販売子会社の中部電力ミライズ(名古屋市)。関係者によると、中部電力、関西電力、中国電力の3社は、企業向けの高圧電力の販売に際し、互いに新規営業などを制限するよう申し合わせ、エリアを越えた顧客の獲得を制限していた疑いが持たれている。電力販売が自由化され、エリアを越えた電力販売が可能になったことで、各社は価格の下落を免れようとした可能性がある。
また、公取委は同日、低圧電力や都市ガスの販売で同様の申し合わせをして価格の維持を図っていた疑いが強まったとして、中部電力と中部電力ミライズ、東邦ガス(名古屋市)の3社にも独禁法違反(不当な取引制限)容疑で立ち入り検査した。
「電気料金が割高」との批判を受け、国は電気料金を引き下げるため、2000年から企業向けの電力販売を段階的に自由化した。16年4月には家庭への小売りを含め、完全自由化された。関係者によると、今回公取委の立ち入り検査を受けた各社は、18年ごろから申し合わせをしていた疑いがあるという。【山崎征克】
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