不明の父子2人発見、死亡 福岡・古賀市、“海の逆流”で溺死か
- 政治・経済
- 2017年8月12日
福岡県古賀市天神6丁目の海岸で11日に父子ら計4人が溺れ、2人が死亡した水難事故で12日朝、行方不明だった同県宇美町神武原3丁目の会社員小野克弘さん(36)と、息子の小野健君(7)が心肺停止の状態で発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。死因はいずれも溺死。同日早朝から県警や福岡海上保安部が捜索を再開していた。
粕屋署によると、小野さんは12日午前5時半ごろ、海岸近くの大根川河口付近で、健君は同7時50分ごろ、河口の沖合100メートル付近でそれぞれ見つかった。
小野さんは11日、近く結婚する予定だった女性や息子たちと計5人で海水浴に来ていた。午後0時40分ごろ、海で一緒に遊んでいた健君と、森尾陵ちゃん(5)=11日に死亡確認=が沖へ流された。浜辺にいた小野さんは2人を助けるため海に入り、波にさらわれた。また、3人を助けようとした福岡市東区松崎3丁目の会社員寺田一也さん(49)も溺れて亡くなった。
県警などによると、死亡した4人は、沖合に向かって強い流れが起きる「離岸流」に巻き込まれたとみられる。海に入って浅瀬を歩いているときに健君や陵ちゃんと一緒に沖へ流され、自身は救出された男性(69)は「父親が浜辺から海に入って助けに来たが、父親も一緒に見えなくなった。あんな強い(海の)『逆流』は初めて」と話す。
一帯は離岸流が発生しやすい場所とされ、昨年8月にもベトナム人留学生が沖合に流されて死亡する事故があり、古賀市が注意を呼び掛ける看板を設置していた。11日に一家を見掛けたという近所の住民(68)は、「地元の人はここでは泳がない。事故当時も波が高くていつもより波が手前まで打ち寄せていた。せっかくの夏休みにこんな事故があるなんて」と嘆いた。
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