宣言解除後、5本柱でコロナ阻止…首相「リバウンド懸念」変異型警戒やPCR拡充など
- 政治・経済
- 2021年3月19日
政府は18日、新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県に発令している緊急事態宣言を21日の期限で解除することを正式に決めた。菅首相は決定後の記者会見で「リバウンド(感染の再拡大)が懸念されている」と指摘し、変異したウイルスへの警戒強化や、再流行の予兆をつかむためのPCR検査の拡充など五つの対策に全力を挙げる方針を示した。
1月7日に発令された宣言は、2回の延長を経て約2か月半で全面解除される。
首相は新規感染者数や病床使用率などの指標を挙げて、「目安とした基準を安定して満たしている」と解除の理由を説明した。内閣官房のまとめによると、17日時点の病床使用率は1都3県全てで40%を下回り、解除の目安となる「ステージ3」を達成した。新規感染者数も東京都と埼玉県で微増したものの、低水準で抑えられている。
政府は18日の対策本部で今後の対策として、〈1〉飲食店対策〈2〉変異ウイルス対策〈3〉PCR検査の強化〈4〉ワクチン接種の推進〈5〉医療提供体制の充実――の5本柱を決定した。
飲食店対策では、宣言中は1都3県への時短要請を「午後8時まで」としてきたが、「午後9時まで」に緩和する。時短には1店舗あたり1日4万円の支援を行う。事業継続に向けた金融支援策も早急にまとめる方針だ。年度末は行事に伴う会食が想定されるが、4人以内にとどめるようSNSなどで呼びかける。
変異ウイルス対策では、陽性者の10%程度が対象だった抽出検査の割合を40%程度に引き上げる。全世界からの新規入国の停止措置など現行の水際対策を当面継続する方針も決めた。日本人の帰国や外国人の再入国などは1日2000人程度に絞る。
PCR検査の強化に関しては、自治体と連携して主要都市で無症状者への検査を集中し、4月には1日5000件規模に増やす。
首相は「再び宣言を出すことがないように五つの対策をしっかりやることが私の責務だ」と強調した。
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