インド氷河崩壊、付近に新たな湖 再び洪水の恐れも
- 国際
- 2021年2月13日
【AFP=時事】インド北部で7日に発生したヒマラヤ山脈の氷河崩壊によるとみられる氾濫が起きた川の近くで、新たな湖が形成されていることが分かり、再び激しい洪水の発生が懸念されている。当局はヘリコプターを使った調査を実施すると共に、徒歩で16時間かかる現場に調査チームを派遣した。
災害当局によると、インド北部のウッタラカンド州で起きた洪水では、猛烈な勢いで水と土砂が流れて道路や橋、ダムが破壊され、38人が死亡し、現在も166人が行方不明となっている。
リシガンガ川の氾濫は、氷河の崩壊あるいは、氷河が解けてできた氷河湖の決壊によって発生したと考えられている。この地域では、地球温暖化により氷河が急速に融解している。
地質学者らは11日、リシガンガ川の近くで新たな湖が形成されていると発表した。
ヘムワティ・ナンダン・バフグナ・ガルワール大学の地質学者ナレシュ・ラナ氏は、この地域で撮影した映像を公開。湖の位置を指し示し、「これはリシンガ川が再び氾濫することを意味する」と述べた。
地元警察高官のアショク・クマール氏はAFPに、衛星写真とヘリコプターによる調査で湖の存在が確認されたと明らかにした。また、徒歩で16時間かかる海抜約4200メートルの現場に調査チームが派遣されたという。
クマール氏は、「一つ重要なことがある。ここ数日は少なかったリシガンガ川の水量が、昨日から非常に多くなっている」と説明。「湖の水がいくらか外に流れているということだろう。水が集まったばかりで流れがなかったら、危険だっただろう」と指摘した。
■行方不明者の捜索続く
7日の洪水発生からトンネルに取り残されている約30人の捜索は12日も続いたが、生存の望みは小さくなりつつある。
クマール氏は、「現在調べているトンネルより12メートル下にある小さいトンネルを調べようとしているところだ」と述べた。「この小さいトンネルに希望をつないでいる。もし彼らが泥と水から逃げていたら、どこかにいるかもしれない」 【翻訳編集】AFPBB News
AFPBB Newsより転用
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