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変化する占い番組 未来だけでなく過去の人生にもフォーカス


占い番組も変化(写真/アフロ)© NEWSポストセブン 提供 占い番組も変化(写真/アフロ)

どれだけマスクや手洗いを徹底しても、どこで新型コロナウイルス感染症にかかるかわからない。感染しても無症状のままの人もいれば、重症化したり、後遺症が残ったりする人もいる。

ウイルス感染に限らず、3組に1組が離婚する現代、突然夫から離婚届を手渡されることもあれば、東京五輪ですらまさかの延期になるこの世の中で、会社の経営が急に傾くことだってある。一寸先は真っ暗闇。もはや生きているだけで「運試し」ともいえるいまの世の中だからこそ、占い師はもちろん、生物学者やスポーツ心理学者、経営者らまでこぞって“運”を研究している。その膨大な研究データと「なぜかいつも運がいい人」の実体験を組み合わせると、科学と実技に裏付けられた“運の正体”が見えてくる──。

「ドラマの撮影よりもドキドキしています」

ゲスト出演した『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系、2020年12月16日放送)で胸中を明かしたのは木村拓哉(48才)。

人気占い師たちが、いまをときめく芸能人の過去から現在までを占いながら普段は聞けないような話を聞いたり、さらに一般の人にも占いを行うドキュメンタリータッチで話題の同番組。

スタジオで天星術師の星ひとみさんに占ってもらった木村は、「玄関に大きな石が飾ってありませんか?」などと本人や家族しか知りえないことを次々と言い当てられ、「一回家に来てもらったことあったっけ?」と目をぱちくりさせた。

『突然ですが……』は「占いバラエティー」という異色の内容ながら女性を中心に幅広い年齢層から支持され、公式インスタグラムのフォロワーは8万人を超えている。番組で紹介した開運スポットに人々が詰めかけ、番組の内容をまとめた公式本『とにかく運がよくなりたい!』は累計17万部を超えるベストセラーになった。同番組プロデューサーの坪井理紗さんが言う。

「番組を始めたきっかけは、番組の演出担当者が占い師の木下レオンさんに偶然会った際、自分が親しくしているスタッフの、これまで聞いたことのなかった過去の出来事などを言い当てられたことでした。占いを通じて、その人の知られざる一面を引き出せることが興味深く、企画をスタートしました」

コロナ禍になる前は、街の居酒屋で「突撃占い」を敢行し、ついさっきまで楽しく飲んでいた女性が実は兄を亡くしたばかりだとわかってホロリとする名場面も。

思い起こせば、過去にも占いや開運をテーマにしたテレビ番組は数多く制作されてきた。特に2000年代は、『ズバリ言うわよ!』(TBS系、2004年8月~2008年3月)や『国分太一・美輪明宏・江原啓之のオーラの泉』(テレビ朝日系、2005年4月~2009年3月)といった人気番組がブームを牽引し、その影響で、「私は木星人」「私のオーラは水色」と自己分析して、占い界のルールに則って行動する人も目立った。

だが令和のいま、占いは平成のそれらとは大きく異なる。

「これまでの占い番組は、未来の出来事にフォーカスを当て、占い師さんの持つ言葉の強さでアドバイスを送るものが多かったと思います」(坪井さん)

平成ブームの際、細木数子さん(82才)の「アンタ死ぬわよ!」という怒声や、守護霊による「予言」の数々は、キャッチーな一方、多くの人を戦慄させた。これらの占い番組は、“受け入れざるを得ない運命を予言されて、そこからなんとか逃れるためのアドバイスをもらう”という内容が多く、良くも悪くも占い師が主体だった。

しかし現在は、それが逆になっている。

「番組では占われる人の未来だけでなく過去や現在にもフォーカスすることで、その人の人生に起きた出来事や抱えている悩みを、年表をひもとくように見せていきます。視聴者のみなさんは、その人生や悩みに自分を重ね合わせて、共感していただいているのだと思います。これからも番組ではあらゆる人生ドラマを見せていきたいと思います」(坪井さん)

※女性セブン2021年2月4日号

NEWSポストセブンより転用NEWSポストセブン


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