【高校ラグビー】京都成章・本橋拓馬、悔し涙「全てにおいて一枚上だった」
- スポーツ
- 2021年1月10日
◆全国高校ラグビー大会最終日 ▽決勝 桐蔭学園32―15京都成章(9日・花園ラグビー場)
初の決勝進出を果たした京都成章は「ジャイアン」ことロック本橋拓馬(3年)が5試合連続トライを決めたが、同校初、2005年度の伏見工以来となる京都勢の優勝には届かなかった。史上9校目の大会連覇へ導いた桐蔭学園の藤原秀之監督(53)は数々の困難を乗り越え、同校を全国屈指の強豪に育て上げた。
高い王者の壁に阻まれ、初優勝はつかめなかった。前半を同点で折り返したが、後半2分にNO8森のパスミスから痛恨の勝ち越しトライを許した。自慢のディフェンスが次々と突破され、一気に突き放された。本橋は「3年間が終わると思うと…。勝って終わりたかった」と3度目の花園でも頂点に立つことはできず、悔し涙を流した。
次々と相手に襲いかかる「ピラニアタックル」は無情にも相手にはねのけられた。「全てにおいて桐蔭さんの方が一枚上だった」と本橋。ともに帝京大に進学するライバルのロック青木をはじめ、隙のないラグビーに圧倒された。後半30分には右手だけで力強く「3年間の集大成」の5試合連続トライを決めたが及ばす。「やれることを出したので胸を張って帰りたい」と言葉を絞り出した。
01年度大会で、花園V4度の伏見工(現京都工学院)を破り、花園に初出場してから20年。京都勢としては伏見工以来、13大会ぶりの決勝進出だった。FBの辻野主将は「一つ一つのフィジカルが強かった。僕たちのミスを見逃さず、トライにつなげられてしまった」と肩を落とした。
「楽しかった。ただそれだけです」。就任34年目の湯浅泰正監督(56)も男泣きした。長い指導生活は決して平らな道ではなかった。13年の10月。ステージ4の咽頭がんを患い「死ぬんちゃうかな」とボイスレコーダーに遺言を残すほど絶望した。それでも自身が「奇跡」と振り返る回復を遂げ、今も花園のグラウンドに立つ。「あかんかもしれないけど、満足しています」。それぞれが特別な思いを胸に、新たな道を歩み始める。(菅原 美沙)
◆京都成章の主な選手進路
中野裕翔、四宮勇斗、小池勇斗(日大)、八代デビット太郎(立大)、本橋拓馬、松沢駿平(帝京大)、堤保澄、中野喜介、徳永司也(関学大)、森達喜(法大)、宮尾昌典(早大)、辻野隼大、西村建哉(京産大)、山田歩季(明大)、中川湧真、村田和志(東海大)、福井真仁(大東大)
スポーツ報知より転用
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