「緊急事態宣言中のよう」 2日連続200人越えの東京、再び繁華街から人が消えた
- 政治・経済
- 2020年7月11日
定例会見に臨む小池百合子東京都知事=10日午後、東京都新宿区(松井英幸撮影)
東京都では10日、新型コロナウイルスの感染者が2日連続で200人を突破した。ホストクラブなど「夜の街」関連だけにとどまらず、職場や保育園、家庭内での感染事例も目立ち始め、隣県にも感染が拡大して不安が広がっている。繁華街では会食などの自粛の動きもあり、本来ならにぎわうはずの週末の夜でも客足はまばらだった。
「緊急事態宣言中に戻ったかのようだ。いつまでこの状況が続くのか」 歌舞伎町(新宿区)の居酒屋の男性店長(49)はため息交じりに話した。首都圏にある系列店では、7月に入ってから歌舞伎町店だけの売り上げが激減。「仕方ないのは分かっているが、新宿だけ悪いように言われるのは納得できない」と憤った。
本来なら仕事帰りのサラリーマンや学生らでにぎわうはずの新宿の金曜の夜。「夜の街」が名指しされてから、戻り始めた客足が再び遠のく事態となり、飲食店は頭を抱えている。
「歌舞伎町一番街アーチ」が立つ靖国通りには人出があるものの、一歩足を踏み入れると途端に人がまばらに。飲食店の客引きは客がいないため声をかけることもできず、立ち尽くしていた。
通学で新宿駅を利用している女子大学生、大川優実さん(19)は「今日、大学で『夜の街は自粛するように』といわれた。新宿は友達とよく遊ぶ街だったけど、『しばらく行けないね』と話した」と語った。
ホストクラブでクラスター(感染者集団)が発生した池袋(豊島区)。区は9日から、区内にあるホストクラブ全店を対象に従業員のPCR検査を開始するなど波紋が広がっている。
「感染が怖くて店に来ないホストもいるけど、自分は生活のために出勤せざるを得ない」。ホストクラブで働く20代のホストは複雑な表情を浮かべた。関西地方から上京し、今年から働き始めたばかりだという。
店では入店時の検温やテーブルの除菌、使い捨てのコップを使用するなどの対策を取る。「池袋やホストクラブが悪い存在のように言われるのは違和感がある。不安なのはホストだって一緒だ」と打ち明けた。
JR池袋駅近くの居酒屋の女性店主は「7月に入り、池袋が名指しされるようになってから夜の大通りから人が消えた」とため息をつく。客入りも芳しくなく、「従業員を路頭に迷わせるわけにもいかず、いつも通り店を続けるしかない」と語った。
一言コメント
ここまで増えると敏感にならざるを得ない…
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