聖火リレー来年3・25福島スタートの方針…五輪簡素化も予定通り121日間の日程維持
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- 2020年6月30日
東京五輪の聖火リレーのスタート地点となる福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」
東京五輪組織委が新型コロナウイルス感染拡大で1年延期となった東京五輪の聖火リレーの新たな出発日を来年3月25日とする方針を固めていることが29日、明らかになった。大会延期と簡素化に伴って日程短縮や複数ルート案も浮上していたが、五輪開会式同様に今年のスケジュールから1日前倒しし、121日間の日程やルート、ランナーは維持する方向だ。
待機を余儀なくされていた聖火リレーのリスタートは、来年3月25日に設定される見通しとなった。今年予定されていた通り、福島のJヴィレッジを旅立つ希望の灯は、日本全国47都道府県859市区町村を121日間で回り、7月23日の新国立競技場での五輪開会式に到着する。本来のグランドスタートは今年3月26日だったが、五輪の競技日程と同じく、基本的な形を維持した上で、1日前倒しとする方向で調整している。
大会のシンプル化、コスト削減の方針に伴い、聖火リレーも見直しの対象となった。五輪組織委の布村幸彦副事務総長は25日に「1万人のランナー、通過する市町村は維持しながら、どこまで簡素化できるか」と方針を改めて説明。複数ルートによる日程短縮案なども浮上したが、かえって費用がかさむ可能性が高い。綿密に作り上げてきたルートをいくつかの選択肢と比較検討し、「コピー&ペースト」が最善となった。
第1走者は11年サッカー女子W杯で優勝したなでしこジャパンのメンバーが“スライド登板”とみられる。大枠は保持する一方で、到着を祝う各地の式典はできる限り簡素化。また「密」を回避するための、ルートや運搬方法の微調整については、今後のコロナの状況を見ながら、各地方自治体の判断に委ねる。
聖火は3月20日にギリシャから日本に到着。リレーも式典の無観客化や、聖火が入ったランタンを載せた車で予定ルートを走行する「聖火ビジット」に変更するなど開催の道を模索したが、結局は同24日に大会延期が決まったことで、中止となっていた。当初福島に据え置きされていた聖火は、今は組織委の手で厳重に保管されている。震災から、そしてコロナ禍からの復興を象徴する存在として、新たな出番を待っている。
一言コメント
予定通りスタートできることを祈りたい。
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