新型コロナで異例ずくめ 巨額財政支出、執行に課題 3次補正も視野
- 政治・経済
- 2020年6月18日
17日に閉幕した通常国会で、政府は異例の財政対応を迫られた。
新型コロナウイルス対策のために2020年度予算成立後、矢継ぎ早に2度の補正予算を編成。過去にない規模の給付金などで危機回避を狙ったが、制度のほころびが相次いであらわになり、国会終盤には税金の無駄遣いに焦点が当たる迷走ぶりだった。肝心の各種支援は執行に時間がかかり、対応の遅れも目立つ。再び感染が急拡大すれば、3次補正予算の編成も視野に入る。
1月末の19年度補正予算成立後、国会は新型コロナ対応でほぼ一色となった。政府は19年度の予備費などを用いた緊急対応策を2度策定し、中小企業の資金繰り支援や医療体制の強化を図った。
3月下旬の20年度当初予算成立直後に、安倍晋三首相は補正予算案の編成を指示。政府は収入減世帯への30万円支給を柱にした補正案を4月上旬に閣議決定したが、公明党の主張により全国民への一律10万円給付に方針転換し、補正を組み替える異例の措置で成立が遅れた。
大幅減収の事業者への家賃支援なども後手に回った。中小企業が手当の先払いとなる雇用調整助成金の活用に二の足を踏み、休業手当を受け取れない従業員が多数出た。ニッセイ基礎研究所の矢嶋康次チーフエコノミストは「金額や対象範囲が最初から後手に回っていた」と指摘する。
1次・2次補正の一般会計総額は57.6兆円に膨らんだ。ただ、予算の使い道をめぐっては、中小企業への持続化給付金に絡む「中抜き」疑惑を野党が追及。予備費10兆円も「白紙委任」との批判を受けた。一方で、新型コロナ感染第2波への懸念が広がっており、与党の一部には3次補正予算の編成を求める声も上がる。
執行の遅れは政策効果を減殺しかねない。現金10万円が既に支給された世帯は全国で半分にも満たない。各種支援のオンライン申請でもシステムトラブルが相次ぐなど、「必要な人に支援が適切に届いていない」(与党議員)との声が多い。
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