大手商社、4社が減益 コロナ拡大、原油・ガス急落響く 3月期決算
- 企業・経済
- 2020年5月9日
大手商社5社の2020年3月期決算が8日出そろった。新型コロナウイルスの感染拡大による需要減や、原油・ガス価格の急落で三菱商事など4社が減益となった。丸紅は18年ぶりに最終(当期)赤字に転落。4社が最高益を更新した19年3月期から一転して厳しい結果となった。一方、食料など非資源ビジネスが主力の伊藤忠商事は過去最高益を更新した。
三菱商事は豪州の石炭事業の市況下落や原油取引関連の損失などで4年ぶりの減益。最終利益は業界首位の5353億円(前期比9・4%減)を稼いだが、垣内威彦社長は新型コロナの世界経済への影響について「想定以上に長期化を覚悟する必要がある」と指摘した。三井物産も豪州の石油開発事業の減損処理などが響き、最終利益は3915億円(同5・5%減)にとどまった。安永竜夫社長は「新型コロナでエネルギー需要が蒸発してしまった」と語った。
丸紅はメキシコ湾と北海の石油・ガス開発事業などで計約4200億円の損失を計上し、1974億円の赤字(前期は2308億円の黒字)になった。柿木真澄社長は「世界経済は戦後最悪の危機モードに突入し、世界景気のV字回復は困難だ」と厳しい見通しを示した。住友商事も銀や亜鉛の価格下落などで46・5%減の1713億円だった。
一方、伊藤忠商事は非資源ビジネスの利益が全体の75%を占め、食料や機械などが好調を維持。0・2%増の5013億円と4年連続で過去最高になった。21年3月期は、業績見通しを見送った三菱商事と住友商事を除き、各社とも大幅減益を見込んでいる。
一言コメント
今期はもっと厳しくなるかも!?
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