赤字20億円、鳥栖が陥った「負の連鎖」 クラファンと牛乳販売に活路か
- スポーツ
- 2020年4月28日
サガン大ピンチ…。サッカーJ1のサガン鳥栖を運営するサガン・ドリームスは26日、オンラインでの定時株主総会を開き、2019年度(19年2月~20年1月)決算が承認された。純損失が20億1486万9000円の赤字で2期連続。12年にJ1に昇格して以降では最多額となった。クラブライセンス不交付となる債務超過は第三者割当増資を行って回避したものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響でリーグ戦が中断するなど収入が滞っている。終息が見えない未曽有の事態の中で苦しいかじ取りを迫られる。
「他のJクラブよりも(資金ショートに陥る時期は)早いとは思う」。オンラインで記者会見した竹原稔社長は、コロナ禍が追い打ちを掛ける厳しい経営状況に危機感を隠さなかった。
■方針転換、スポンサー離れ、コロナ禍
クラブは今季、実績のある選手を集める強化策から下部組織から選手を育てる育成型へと本格的に転換。第17期(20年2月~21年1月)は売上高を26億8900万円と微増にとどめ、チーム人件費を約12億円減の11億6900万円とするコンパクトな予算で黒字化を目指している。
しかし新型コロナウイルスの影響で新規の大口スポンサーとの契約が完了せず、リーグ再開のめどが立たないために入場料収入が計算できないなど収入総額が見通せない。「いかなる手段を取ってでも存続に向けて全力で努力する」と断固たる決意を口にしたが先行きは不透明だ。
竹原社長は、民間金融機関からの借り入れやクラウドファンディングで寄付を募る可能性にも言及した。一方で選手の年俸の返納については慎重。「単にコストカットしてクラブが生き残ればいいというものではない。選手にとっても喜ばしい大胆な施策ができれば」と語った。
「プロスポーツとしての存在意義を見つめ直す」として今後はクラブのブランドを生かした地域活性化策を打ち出す考え。パッケージにマスコットを描いた牛乳販売を計画中で、30日にオンラインでサポーターミーティングを開き、さらに案を募る方針だ。
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残された時間は長くない。
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