石油元売り、赤字転落 製油所の稼働停止も ガソリン安で外出増懸念
- 企業・経済
- 2020年4月22日
原油価格の急落が石油元売り各社の経営を直撃している。国内最大手のJXTGホールディングス、出光興産の2020年3月期純損益はともに赤字に転落したもようだ。新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動停滞からエネルギー消費が減退していることなどが原因で、事業環境は一段と厳しく、製油所の停止も視野に入る。一方、原油安に伴うガソリン値下がりは消費者には朗報だが、外出自粛の緩みにつながる恐れもある。
JXTGの20年3月期連結純損益は3000億円の赤字(前期は3223億円の黒字)に陥る見込み。出光も21日、20年3月期連結純損益が250億円の赤字(同814億円の黒字)に転落するとの見通しを発表した。相場急落で原油在庫の評価損が拡大した。
新型コロナの収束は見通せず、エネルギー消費は一段と落ち込む恐れがある。国際的な指標のニューヨーク商業取引所の原油先物相場は20日、史上初めてマイナス価格に沈んだ。石油連盟によると、4~6月の石油製品の需要は前年同期比で2割減少する。石油連盟の月岡隆会長(出光会長)は「製油所の稼働率を落としていくという選択肢もある」と語り、需給調整のためには操業停止せざるを得ないとの見方を示す。
一言コメント
ガソリンスタンドも減らなければよいが…
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