「全国クラスターマップ」厚労省が公表 大分は修正要求
- 政治・経済
- 2020年3月17日
新型コロナウイルスの国内の感染状況を分析している厚生労働省は16日までに、「クラスター」(小規模な患者集団)の全国の分布を示した地図をホームページで公表した。15日正午現在で10都道府県で15集団に上る。最も人数が多かったのは大阪府のライブハウスを介したクラスターで感染者は50人以上だった。
クラスターは感染のつながりのある患者の集団。政府の専門家会議は▽密閉空間で換気が悪い▽手の届く距離に多くの人がいる▽近距離での会話――という三つの要件がそろったところがクラスターが発生するリスクが高いとしている。
厚労省が公表したクラスターは、つながりがある感染者が5人以上いたケース。家族間に感染が限られているものは含まれない。
大阪府以外で10人以上の感染が確認されているクラスターは10集団。愛知県では、感染者が利用していた高齢者デイサービス事業所で感染が広がった。この中に別の事業所の利用者がいて、そちらでも広がった。また、スポーツジムに通っていた感染者1人から12人に広がった事例もあった。ほかに北海道のライブバーや東京都の屋形船を介した感染などがあった。
クラスターから次のクラスターが生じると、感染は大きく広がっていく。感染ルートが追えなくなって蔓延(まんえん)した状態になるのを防ぐため、自治体は濃厚接触者を探し出して健康観察をしたり、症状がなくてもウイルス検査をしたりして、感染を封じ込める対策をとっている。
北海道では2月27日以降、全国に先駆けて小中学校と特別支援学校を休校にした。さらに28日には「緊急事態宣言」を出し、週末に外出するのを控えるよう要請した。政府の専門家会議は、こうした対策がどれほど感染拡大を防ぐのに効果があるか分析中で、19日ごろに結果を公表するとしている。
一方、大分県は県内の飲食店を介したクラスターが発生していると公表されたことについて、「飲食店での集団感染は起こっていないと判断している」として、厚労省に地図の修正を求めた。県によると、感染者が勤めていた飲食店には、感染が確認された山口県と愛知県の男性計3人も訪れていた。大分県はこの店での濃厚接触者42人がPCR検査で全員陰性だったとして「飲食店を介して感染が広がったとは断定できない」と説明している。こうした指摘を踏まえ、厚労省はクラスターの定義を改めて整理して、地図を修正する方針だ。
一言コメント
検査が行き渡っていないことも問題だ。
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