「投資家はパニック状態…」NY株2352ドル安、ブラックマンデー以来の下落率
- 経済情報
- 2020年3月17日
12日のニューヨーク株式市場は、欧州から米国への渡航を制限するとしたトランプ米政権の措置が経済に悪影響を及ぼすとの懸念が広がり、株価が大幅に続落した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比2352・60ドル安の2万1200・62ドルで取引を終了。1日の下げ幅は今月9日(2013・76ドル安)を超えて過去最大となり、2017年6月以来約2年9カ月ぶりの安値水準まで値下がりした。
ダウ平均の1日の下落率は約10%に達し、1987年10月の株価大暴落「ブラックマンデー(暗黒の月曜日)」でつけた22・6%以来の大きさとなった。
トランプ大統領が11日夜、新型コロナウイルスの感染抑止策として欧州からの渡航を30日間停止すると発表。緊密な関係にある欧米経済に及ぼす副作用への懸念が一気に高まった。欧州中央銀行(ECB)は市場の動揺を抑えるため、12日の定例理事会で量的緩和策の拡大を決定。しかし、市場が注目した追加利下げを見送ったことで失望が広がり、欧州主要国の株価指数は軒並み10%超下落した。
欧州市場の流れを引き継ぎ、12日のニューヨーク市場はダウ工業株が取引開始直後から1700ドル超下落。主要500株で構成するS&P500株価指数の下落幅が7%に達したため、パニック状態を抑えて相場安定を図る「サーキットブレーカー」が今月9日に続いて発動され、ニューヨーク証券取引所は午前9時35分から15分間、取引を停止した。しかし、再開後に下げ幅が2000ドルを超えた。
ニューヨーク連邦準備銀行が12日昼、金融機関が資金をやりとりする短期市場に12、13日の2日間で総額1兆5000億ドル(約160兆円)の資金を供給すると発表すると、ダウの下げ幅が縮小する場面もあった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速懸念は解消せず、ダウは1464・94ドル安だった11日に続き、大幅安で取引を終えた。
投資家の不安心理を表す指標「恐怖指数(VIX)」は一時73をつけ、リーマン・ショック直後の08年11月以来の水準に上昇。平常時の目安とされる20を大幅に上回った。市場では「投資家はパニック状態で、金融当局が動いても冷静な反応は期待できない」との声が出ている。
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株価回復はいつの日か…
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