抱き合わせ、替え玉…マスク転売規制も抜け道横行
- 流通
- 2020年3月17日
新型コロナウイルスの感染拡大で入手困難となっているマスクの転売禁止が15日から施行された。仕入れ価格を超えた転売を規制し、違反すれば1年以下の懲役か100万円以下の罰金、またはその両方が科される。政府は高額転売や買い占めを排除して極度の品薄解消を目指すが、ネット上では抜け道とみられる商法が早くも横行しており、問題点が浮上している。
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今や日常の光景となったマスクを求める長蛇の列の解消へ、15日午前0時以降に注文が確定し、仕入れ価格を上回る販売が禁止された。だが「転売ヤー」呼ばれ、転売利益を狙う個人や業者による抜け道が早くも明らかになっている。
マスク転売の温床とされたネットオークションやフリーマーケットアプリの運営各社ではマスクの出品を全面禁止した。各社ともに出品を確認した場合、ページを削除するとしている。
それでも規制初日にチェックすると「マスク50枚4980円」などの出品が確認できた。仕入れ価格から1円でも高い転売は禁止だけに「中国工場から直接仕入れで転売品ではありません」や「海外直輸入の正規品」など、転売ではないことが強調されていた。
マスクが極端な品薄となる前には、ドラッグストアなどで1箱50枚入りが実勢価格498円~598円で販売されており、約10倍のイメージだ。ピーク時には「100枚8万円」や、中には同10万円を超える高額の転売もあっただけに価格下落の感はあるが、規制をすり抜けようとする新手の販売も浮上している。
別の商品にマスクをセットした「抱き合わせ販売」が登場した。化粧品などの購入者にマスクをプレゼントするケースがあった。政府は「独占禁止法が禁じる不公平な取引方法につながる恐れがある」と警告するが、「おまけやプレゼントだ」と主張すれば、その判断は難しいだろう。
また「替え玉販売」も登場している。マスクとして出品すると削除対象となるため「ペン」などと偽って出品する。高額出品で注目を集め、実はマスクとのセットであることを巧みに推測させるなど、関係省庁では警戒を強めている。一方で規制対象外となった消毒液は品薄にもかかわらずネット上で高額転売されている。規制する側と「転売ヤー」との、いたちごっこは続きそうだ。【大上悟】
◆主な規制対象
(1)ドラッグストア、スーパーやネットなどで購入したマスクを取得価格以上の価格で販売すること。手作りマスクも対象となる。
(2)マスク本体の価格を安く設定しながら、高額な送料や手数料を上乗せして販売すること。
(3)ネットオークションで「1円スタート」などで出品しても、最終的に売買が成立した時点で取得価格を超えた場合。
◆主な規制対象外
<1>メーカーから卸売業者を通し、ドラッグストアやスーパーなどの小売店が仕入れ、正規に販売する通常の商取引。
<2>購入価格よりも安く譲る場合。
<3>友人や親族の間での譲り渡しや売買。
一言コメント
品薄が解消すれば、解決するのだろうが…
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