被災企業への公的資金実らず 「グループ補助金」でも倒産75社 返済本格化が背景
- 企業・経済
- 2020年3月8日
東日本大震災で被災した企業の建物や設備の復旧費の一部を国と県が補助する「グループ補助金」を受けた岩手、宮城、福島3県の企業計75社が、業績が回復せず倒産したことが、3県への取材で明らかになった。倒産は震災5年後から年々増えて、2019年度は最多の21社だった。震災を機に、国が初めて被災企業に公的資金を投入するため作った制度だが、借入金の元本の据え置き期間が順次終了し、返済が本格化していることが背景にある。
毎日新聞は2月、グループ補助金の交付を受けて、その後倒産した企業数や業種を3県に尋ねた。倒産した75社は県別で宮城46社▽岩手15社▽福島14社。業種別で見ると、水産・食品加工27社(36%)▽卸売り・小売り15社(20%)▽製造業10社(13%)――の順。年度別では12~15年度は1桁で推移、16年度10社、17年度11社と微増。18年度には18社に急増し、19年度(2月21日現在)は21社で最多を更新している。
震災から9年近くたち、自己負担分の返済を最長5年間据え置きできる期間は順次終了し、返済が本格化していることが急増の理由とみられる。中小企業庁によると、3県で交付された企業は約1万社。補助金を受給している事業者に同庁が19年6月に実施したアンケートでは、震災前の水準以上まで売り上げが回復している事業者の割合は3県とも45%台にとどまる。回復しない理由については3県とも「既存顧客の喪失」が最多だった。
信用調査会社「東京商工リサーチ」によると、震災関連倒産は11年3月~20年2月で1946件。都道府県別では宮城は2番目に多い187件▽岩手は4番目の84件▽福島は5番目の81件――となっている。
一言コメント
ほかの補助金でもあるある話だ。
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