日産、10-12月期で11年ぶり最終赤字 販売低迷し下方修正
- 企業・経済
- 2020年2月14日
[横浜 13日 ロイター] – 日産自動車<7201.T>が13日発表した2019年10─12月期の連結決算は、261億円の最終赤字(前年同期は704億円の黒字)だった。同期の最終赤字はリーマンショック時の08年以来、11年ぶり。想定以上に販売が低迷した。20年3月期の通期純利益は1100億円の予想だったが、650億円に引き下げた。未定としていた期末配当は見送る。新型肺炎の影響は通期予想に織り込んでいない。
通期売上高予想は10兆6000億円から10兆2000億円に、営業利益予想は1500億円から850億円に、それぞれ下方修正した。修正後の営業利益予想は、リフィニティブが集計したアナリスト20人の予測平均値1344億円を大きく下回る。
下期の収益やフリーキャッシュフローの見通しを踏まえ、期末配当は無配とし、年間配当は中間配当の1株当たり10円にとどめる。会見した内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)は「足元の業績が想定以上に悪化している一方、将来に向けた技術や商品の開発への投資はまったなしだ。将来にわたり着実な成長を果たすため、このような配当とさせていただく」と理解を求めた。
2度目となる通期予想の下方修正については「固定費削減はしっかりできていたと思う。販売台数が想定を下回ったことに尽きる」と指摘。さらなる固定費削減にも着手しており、5月に公表予定の中期経営計画で詳細を説明するとした。
世界全体の販売計画は524万台から505万台に下方修正した。北米を171万台から165万5000台に、中国を156万台から154万7000台に、日本を58万台から55万5000台に、欧州を57万台から55万5000台に、それぞれ引き下げた。
業績回復の見通しについて内田社長は、今期の状況を踏まえると来期も「少し時間がかる」と述べた。苦戦が続く米国事業も「新技術や新商品の投入が始まり、回復に転じるにはもう少し時間を要する」という。販売の弱い地域でも撤退はせず、アライアンスの活用などを検討するとした。
業績悪化や期末配当見送りなどの経営責任を問われた内田社長は「どういう形になるか、すぐに答えられない」としつつ、役員報酬カットなど「検討を進める必要がある」と語った。ただ、今後も「現経営陣の代表として覚悟をもって経営にあたる」と強調した。
通期の想定為替レートは、1ドル=108円と従来の107円から円安方向に見直した。ユーロは120円のまま据え置いた。
キャッシュフローが悪化したが、ラケッシ・コッチャ専務執行役員が「キャッシュは十分にある」と述べた。第3四半期は年度末に向けて在庫を増やすことでマイナスになりやすく、季節的な要因だと説明。流動性に問題はないとの見方を示し、リストラ費用もまかなえるほか、適切な時期になれば社債も発行するなどと述べた。
一言コメント
まだまだいばらの道が続く!?
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