日本郵政新社長に増田寛也元総務相 27日に正式決定へ
- 企業・経済
- 2019年12月27日
日本郵政グループは、日本郵政の長門正貢社長(71)が辞任し、後任に元総務相の増田寛也氏(68)が就く人事を固めた。金融庁と総務省が27日、かんぽ生命の保険の不正販売に関して郵政グループに行政処分を出す方針。長門氏を含めたグループ3社の社長が同日、経営責任明確化のために辞任表明する見通しだ。
複数の政府・与党関係者が明らかにした。ほかに辞任するかんぽの植平光彦社長(63)の後任は同社の千田哲也副社長(59)の昇格で調整し、日本郵便の横山邦男社長(63)の後任は日本郵政の衣川和秀専務執行役(62)が就く方向だ。金融庁の処分内容なども踏まえ、27日の日本郵政の指名委員会や各社の取締役会で話し合って正式に決める。
千田氏と衣川氏はともに旧郵政省出身。増田氏は旧建設省出身で、3社のトップともに今の民間出身者から官僚出身者へと代わる。
増田氏は郵政民営化委員長を務めるなど郵政事業全般に明るく、経営再建に適任と判断されたとみられる。かんぽと日本郵便の親会社の日本郵政は、政府が株式の57%を持つ大株主。増田氏は第1次安倍内閣当時の2007年に総務相に就き、第2次内閣の13年から約3年間は郵政民営化委員長も務めた。人事には安倍政権との近さが影響したとの見方もある。
情報漏洩(ろうえい)で更迭された総務事務次官から情報を得ていた、元次官の鈴木康雄・日本郵政上級副社長(69)も辞任する方向だ。
金融庁は27日、保険を売る日本郵便とかんぽに、かんぽ商品の新規営業などの一部業務停止命令を出す。日本郵政にもグループの企業統治が不十分として業務改善命令を出す。命令のなかで「経営責任の明確化」を求める方針で、郵政グループ3社の社長は引責辞任が避けられないと判断したもようだ。総務省も日本郵政と日本郵便に業務改善を命じる方針を固めている。
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今後ウミ出しができるか注目だ。
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