博多駅前「シンボル」建て替え 西日本シティ銀行の本店を再開発へ
- 企業・経済
- 2019年12月20日
西日本シティ銀行(福岡市)は、JR博多駅前の本店ビルを建て替える方針を固めた。容積率緩和で再開発を推進する市のプロジェクト「博多コネクティッド」を活用し、オフィスや商業施設が入る大型複合ビルに再開発する。本店ビルは世界的な建築家、磯崎新氏(88)が設計。駅前のランドマークとなっているが、老朽化に伴う耐震対策などが課題で、2022年度の市営地下鉄七隈線博多駅延伸、九州新幹線西九州(長崎)ルート暫定開業後の街づくりも見据え、建て替えを決断した。近く発表する。
ビルは1971年12月、旧福岡相互銀行(後の福岡シティ銀行、現西シ銀)の本店として開業した。博多口前の一等地にあり、敷地面積は約5200平方メートル。地上12階、地下2階建てで延べ床面積約2万6千平方メートル。現在は西シ銀の本店営業部やグループの証券会社などが入居している。
設計は、大分市出身で世界でも活躍する磯崎氏が担当。外壁全面に茶褐色のインド砂岩を張り巡らせた斬新なデザインで知られ、重厚感ある外観が特徴となっている。一方、築48年が経過して老朽化が進行。規制緩和で古いビルの更新を促す「博多コネクティッド」を活用し、耐震性や機能性に優れた先進的なビルに建て替えることにした。
今後、具体的な設計に入るが、容積率緩和策を最大限活用。ビルの延べ床面積は、現在から2倍程度に拡大する見通し。地下1階には地下鉄七隈線の新しい博多駅や駅ビルへとつながる広場を設置。街の回遊性を高めるとともに、災害時は避難場所としても使い都市の防災機能強化につなげる。博多エリアのにぎわい創出に向け、低層階は商業フロアとする計画だ。
現ビル象徴のインド砂岩の一部を新ビルに移築することも検討しており、磯崎氏とも相談しながら計画を進める。
新ビルもデザイン性にこだわり、地下鉄延伸などで機能が高まる「九州の玄関口」にふさわしい新たなシンボルにしたい考えだ。開業時期などは今後詰める。 (博多再開発取材班)
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どう変わるか楽しみだ。
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