経産省、対韓輸出管理の厳格化で局長級会合を実施へ 個別審査は維持
- 国際
- 2019年11月23日
経済産業省は22日、半導体材料の韓国向け輸出管理の厳格化をめぐり、解決に向け日韓の課長級の準備会合を経て、局長級の会合を行うと発表した。時期などの詳細は明らかにしていない。記者会見した同省の飯田陽一貿易管理部長は「(半導体材料の)個別審査で輸出を許可する方針に変化はない」と強調した。
また、飯田氏は、韓国が輸出管理の厳格化を不服として世界貿易機関(WTO)提訴したことについて「外交ルートを通じて韓国からWTOプロセスを中断するとの連絡を受けた」ことを明らかにした。ただ、韓国がWTO提訴を取り下げたわけではないという。
これまで日韓はWTOで2回の2国間協議を実施。当面は裁判の1審にあたる紛争処理小委員会(パネル)の設置を韓国が要請することはないとみられる。
日本政府は7月、韓国側の貿易管理の脆弱(ぜいじゃく)性などを理由に、軍事転用の恐れがある半導体材料3品目の輸出管理を厳格化した。韓国に輸出する企業に3年間有効な許可を与えて個別申請を免除していたが、契約ごとに審査し輸出可否を判断するよう運用を見直した。
梶山弘志経産相は22日午前の閣議後の記者会見で「日本を含む各国は国際合意に基づき、軍事転用の可能性のある貨物の貿易や技術移転を適切に管理することが求められており、こうした責任を果たしていきたい」と述べ、引き続き韓国向け輸出を厳正にチェックしていく考えを示した。
韓国は日本の輸出管理の厳格化に反発し、8月に日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決定。しかし、韓国政府は22日、23日午前0時に迫っていたGSOMIAの失効を当面回避すると日本政府に伝達した。
韓国政府は協定維持の条件として、日本に輸出管理厳格化を撤回するよう要求していた。これに対し、日本政府は輸出管理の見直しは、GSOMIAとは別の問題として拒否していた。
日本政府が韓国向けの輸出管理を厳格化した半導体材料3品目は、半導体の基板に塗る感光剤「レジスト」のほか、半導体の洗浄に使う「フッ化水素」と、スマートフォンなどの有機ELディスプレーに用いる「フッ化ポリイミド」。
一言コメント
こちらのペースで進めればいい。
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