3大損保、台風災害の保険金1兆円 20年3月期、契約者負担増へ
- 企業・経済
- 2019年11月20日
東京海上ホールディングス(HD)など損害保険大手3グループは19日、2019年9月中間連結決算を発表した。台風15、19号など広域の被災が相次ぎ、自然災害による20年3月期通期の保険金支払額は、3グループ合計で1兆円に迫る見通しだ。多発する災害を背景に各社は火災保険料の引き上げを検討しており、契約者の負担は増加しそうだ。
3グループ合計の保険金支払額見通しは、15号関連が3788億円、19号が4900億円。台風以外の大雨や、冬場に発生しやすい雪害などへの支払いを加えると、9800億円を上回る。
ただ、国内外の企業でリスクを分散する「再保険」を活用することで、実際の負担額は4000億円強に収まる見込み。SOMPOホールディングスは20年3月期の連結純利益予想を下方修正したが、他の2社は据え置いた。
自然災害関連の保険金支払額は、西日本豪雨などの災害が頻発した19年3月期に3グループ合計で1兆6600億円に上った。これを受け、損保各社が加盟する損害保険料率算出機構は10月、保険料を決める基礎となる「参考純率」を個人住宅で平均4.9%引き上げると発表。各社は21年1月にも火災保険料を上げる方向で検討している。
さらに、20年3月期にも大規模災害が相次いだことで、損保各社は追加の値上げを迫られる可能性がある。東京海上HDの藤田裕一専務は記者会見で、コスト削減に努めると強調しながら「引き上げも視野に入れて対応する」との考えを示した。
一言コメント
保険負担も家計を圧迫する!?
コメントする