消費増税のポイント還元、受け取り・利用の期限確認
- 経済情報
- 2019年11月18日
消費増税から約1カ月。政府によるポイント還元制度の導入を機に、キャッシュレス決済を始めた人も多いだろう。決済業者などから実際にポイントが付与されるのはこれからだ。取りこぼしがないよう、還元の有無や受け取り方などを改めて確認したい。
「コンビニエンスストアでキャッシュレス決済すると2%値引きされるのでお得」。消費増税後、こう実感した人は少なくないはずだ。大手コンビニでは支払額の2%分を実質値引きの形で還元し、レシートで確認できる。
中小規模の店舗での支払いに5%、フランチャイズチェーン店では2%が付与されるポイント還元。経済産業省によると10月1~21日までの還元額は1日平均で10億円強と、予算を上回るペースだった。還元対象となる登録加盟店は11月11日までに全国約73万店に増える見通しだ。
もっとも、これまで消費者の懐に入ったポイントは、大手コンビニや一部インターネット通販会社が実施する「即時還元」によるものにとどまる。クレジットカードやスマートフォン決済各社がポイントを付与するのは翌月や翌々月が多く、実際の還元はこれから始まるからだ。
クレカではジェーシービー(JCB)や三井住友カードなど大手5社(三菱UFJニコスはMUFGカード)などが、引き落とし時にポイント還元相当額を差し引いて請求する方法をとる。中小店舗などで買い物したときに受け取るレシートには還元額が出ていなくても、後日届く請求明細書に記載されている。
同じクレカでも楽天カードなどは還元額を自社のポイントにして付与する。楽天の場合、楽天スーパーポイントだ。通常のポイント付与とは別に記載されるが、例えば楽天カードの還元ポイントの有効期限は通常ポイントと同じ1年。期限内に使いたい。
電子マネーも利用月の翌月以降に還元されるものが多い。気をつけたいのがポイントの受け取り方法だ。例えば楽天Edyでは支払日の30日後をメドに還元が始まり、店舗の専用端末やスマホのアプリなどで電子マネー残高にチャージする必要がある。受け取る有効期限は付与後90日で、利用期限はない。一方、イオンのWAON(ワオン)には受け取りに期限がない。
交通系のPASMO(パスモ)は事前登録した上で、メールで指定された駅でチャージする必要がある。還元時期は1月と4月、7月。案内メールに記載された受取期限を逃すと失効してしまう。
デビットカードは引き落とし口座へ還元額が現金で振り込まれる。事前手続きは必要ないし、利用期限もないので取りこぼしが少ないといえる。ただし、還元時期は金融機関によりばらつきがある。
スマホ決済でも利用月の翌月に独自ポイントを付与するものが多い。還元額はアプリの履歴から確認できる。オリガミペイは決済時に支払金額から差し引く形で即時還元する。LINEペイは支払い方法によって還元時期が異なり、QRコードなどで支払えば決済時に即時付与される。
どの方法でも、まずはポイント還元制度の対象かをしっかり確認したい。キャッシュレス決済が使える店でも、店舗が還元制度に登録していなければポイントはつかない。さらに対象店舗でも決済手段ごとに登録する必要があるため、中には対象外のキャッシュレス決済もある。店頭のポスターで確認しよう。
政府が用意する地図アプリでも対象店舗や決済手段が把握できる。スマホ決済会社などが提供するアプリやウェブサイトでも地図で確認できる場合がある。
どのサービスも還元額には上限があるが、月1万5000ポイント程度に設定するものが多い。5%還元であれば30万円まで使える計算だ。ポイント制度に詳しいポイ探(東京・世田谷)の菊地崇仁代表は「理美容店やクリーニング、本屋などキャッシュレスがお得になる中小店は想像以上に多く、今後も増える」と話す。まだ利用していない人は、まずは使いやすい手段で始めてみよう。
一言コメント
わかりにくいが、やったほうがお得だ。
コメントする