チョコ、来秋から値上げ? =産地国が貧困対策で割増金
- 国際
- 2019年10月21日
チョコレートが来秋以降、値上がりするかもしれない。
原料となるカカオ豆の2大産地国が、豆農家の貧困対策として、輸出の際に大幅な割増金を課す新制度を打ち出したためだ。日本の業界では「消費者にコスト負担してもらえるだろうか」などと動揺が広がっている。
新制度はカカオ豆の世界生産の約6割を占めるコートジボワールとガーナが来年10月に導入を計画。全輸出品に1トン当たり400ドル上乗せする。現在の相場水準で試算すると、約2割高となる。
世界銀行によると、コートジボワールの豆農家の半数以上が1日約1.2ドル(約130円)未満の収入しかなく、「所得の低さが児童労働や搾取の要因となっている」(ジェトロ現地スタッフ)。ガーナのカカオ豆輸出を統括する政府系機関「ココア委員会」のオポク副総裁は取材に対し、「最も弱い立場にある農家を守る」と理解を求めた。
ただカカオ豆価格は、投機の対象にもなる先物市場で決まり、最近も7カ月間で1トン当たり700ドル超値上がりするなど変動が激しい。大口需要家である欧州のチョコレート・メーカーの一部は割増金支払いに消極的とされ、ロイター通信は、「われわれの大半は、計画が修正されるか撤回されると考えている」との業界関係者の声を伝えた。
ある国内メーカー関係者は、割増金が導入されれば「消費者を含む産業全体でコスト負担するのが理想だ」としながらも、「(値上げは)受け入れてもらえるか」と不安を漏らした。
一言コメント
今年は消費税、来年はチョコレートか…
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