浸水被害、タワマン盲点=専門家「教訓にして対策を」
- 事件・事故
- 2019年10月20日
免震・耐震構造の採用など、地震対策はこれまでも強化されてきたが、水害への対応は十分だったのか。専門家は「今回の災害を教訓に対策を進めるべきだ」と指摘する。
タワマンに明確な定義はないが、一般的には20階建て以上、または高さ60メートル以上の高層マンションを指す。充実した共用施設や眺望が人気を集めており、不動産経済研究所によると、2018年までに首都圏で877棟(約25万戸)が建設された。
今回被害が大きかったのは、タワマンが林立し「住みたい街」ランキングで毎年上位に顔を出すJR武蔵小杉駅(川崎市)周辺。多摩川の水位が上がって排水管から逆流が起こり、駅周辺が冠水した。約1500人が入居する47階建てマンションは地下にあった配電盤が水没し、24階までが停電、全戸が断水となった。
仮住まいへの引っ越しの準備中という中層階の女性は「もっと早く復旧すると思っていた。子どもたちはもう外に出たくないと言っている」とうんざりした様子。11階に住む男性(66)は知人の家に避難しているといい、「エレベーターが使えず大変だ」と嘆いた。
国土交通省によると、水害については地域によって危険性にばらつきがあるため、建築基準法による一律の規制はない。マンション管理コンサルタント、土屋輝之氏は「分譲マンションでは配電盤は地下にあるのが普通。浸水対策は止水板や土のうを設置するぐらいで、訓練もあまりされていない」と話す。
その上で「近年の気候変動を踏まえ、これまでの浸水対策の基準を見直す必要がある。その分コストがかかっても、防災対策が優れているというアピールになる。住民も訓練に力を入れるなど、対策を強化すべきだ」と訴えている。
一言コメント
停電になった時点でアウトだ。
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