【台風19号】温泉届かない… 箱根の230施設で供給止まる、観光に打撃
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- 2019年10月19日
記録的大雨をもたらした台風19号の影響で、箱根町の一部でホテルや旅館への温泉供給が止まっていることが18日、関係者への取材で分かった。大涌谷の温泉造成設備が土砂崩れで損壊したことなどが原因とみられ、強羅や仙石原エリアの少なくとも230施設に提供できない状態。供給会社は「今月中の再開は難しい」としており、紅葉シーズンを控えた観光への打撃は避けられない見通しだ。
箱根温泉供給(仙石原)によると、国内史上最多となる922・5ミリの降水量を記録した翌13日、大涌谷に立ち入った職員が配管などの損壊を確認した。豪雨や土砂崩れの影響とみられ、町内の山中を通る送湯管も一部で断裂していた。
同社は仙石原と強羅の約230施設に対し、大涌谷で造成した温泉を1日当たり計約3千トン提供。設備損壊の影響ですべての供給がストップしており、担当者は「台風でこれほどの被害が出るのは初めて。箱根に来てくれる観光客や宿のためにも、1日も早い再開を目指したい」と話す。
県によると、箱根温泉供給以外の2社も供給が途絶えている。急ピッチで復旧作業を進めているが、再開には時間を要する見通し。
一方、温泉が届かない宿泊施設の影響は深刻だ。仙石原で民宿を営む男性は「いつ再開できるのか…」と困惑を隠せない。12日に供給が止まり、沸かした水道水に「湯の花」を入れて対応している。
予約時に温泉が利用できないことを告げており、「お客さんは温泉を楽しみに箱根に来てくれる。これから予約が減るのではないか」と肩を落とす。このほか複数のホテルや旅館が、温泉供給が途絶えていることをホームページなどで伝えている。
町内の温泉供給を巡っては、2015年6月に箱根山の噴火警戒レベルが3(入山規制)に引き上げられた際も供給量が減るなどの影響があった。今回の台風では、元箱根や芦之湯エリアに給湯している町営の造成施設(芦ノ湯)でも影響が生じたが、現在はほぼ復旧しているという。
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