伊調馨、57キロ級での五輪消滅…階級変更は消極的 進退相談へ
- スポーツ
- 2019年9月19日
【ヌルスルタン(カザフスタン)18日=高木恵】女子の五輪階級が行われ、57キロ級は川井梨紗子(24)=ジャパンビバレッジ=が準決勝でナイジェリア選手を破りメダルを確定。日本協会の選考基準を満たし2大会連続の五輪出場を決めた。五輪4連覇の伊調馨(35)=ALSOK=は代表争いで川井梨に敗れた57キロ級で五輪出場の可能性がなくなった。
史上初の五輪5連覇を目指し昨年10月に復帰した伊調は、57キロ級での東京五輪への道を断たれた。場合によっては一線を退く可能性もある。7月のプレーオフで川井梨に敗れ、自力五輪切符取りが消滅した直後は「57キロ級で(五輪を)目指すと決めたからには、そこはないと思います」。階級を変更しての五輪挑戦について消極的だった。
その後、一部で57キロ級での五輪が消滅なら9月にも現役を引退する意向との報道があったが、否定した。7月下旬、伊調はスポーツ報知の取材に「本当にまだ何も決まっていないんですよ」と困惑した表情で話した。世界選手権後に、改めて恩師や関係者らと今後について話し合うことになる。
伊調は16年リオ五輪後に休養。栄和人氏によるパワハラ問題を乗り越え、約2年間のブランクを経て復帰した。長年酷使した体は古傷だらけで、練習を積めない時期もあった。ブランク中に生じた感覚のズレにも苦しんだ。家族ら周囲の支えもあって、川井梨との3試合を戦い抜いた。復帰後改めて「こんなにもレスリングが好きなんだと驚いた」という求道者が、どんな結論を出すのか注目を集める。
◆伊調 馨(いちょう・かおり)1984年6月13日、青森県生まれ。35歳。中京女大(現・至学館大)出身。姉・千春さんの影響で3歳からレスリングを始める。2004年アテネ、08年北京、12年ロンドン、16年リオで五輪全競技を通じて女子史上初の4連覇を飾った。世界選手権は10度優勝。03年3月から16年1月まで個人、団体を合わせ189連勝(不戦敗除く)。16年には国民栄誉賞を受賞した。昨年10月に実戦復帰。166センチ。
◆レスリングの東京五輪への道 東京五輪で実施する男女計18階級で、今回の世界選手権5位までの国・地域に五輪出場枠1が与えられる。日本協会は当該階級でメダルを獲得した選手を五輪代表に決定。3位決定戦で敗れて5位となった選手は12月の全日本選手権で優勝すれば、五輪出場が決まる。優勝者が異なる場合はプレーオフを実施。世界選手権で五輪出場枠を逃した階級は全日本選手権覇者が大陸別予選などに出場し、出場枠を得られれば五輪切符を手にする。
一言コメント
しっかり考えてから結論を出してもらいたい。
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